Saint Romain Rouge 2008 / Sarnin Berrux
<タイプ>
赤
<生産者>
Sarnin Berrux
<品種>
ピノ・ノワール 100%
<産地>
フランス・ブルゴーニュ・Saint Romain
<価格帯>
4000円前後
<コメント>
こちらも飲んだことのないアペラシオンのブルピノということで選択。価格も手頃、ヴィンテージも飲み頃と、非常に手に取りやすいワインでした。
開けてすぐに妖艶な香り。ボリュームはほどほどですが、バラとイチゴ、小さい感じではなくスケール感のある赤い果実で華やか。果実だけでなく、熟成に伴う要素が妖艶さを生み出しているように感じます。色は薄めですが、ルビー色で液面に鏡の様な艶があり、今までのブルゴーニュワインの中でも特に美しいです。味わいは自然な甘みと酸味、タンニンは完全に溶け込み渋みはなし。やや硬質な印象ではありますが、とてもよく調和がとれています。後味はほっくりした優しい感じで、余韻もまろやかですが、よくあるバナナのような青みがまったくないのが特徴的。
2日目になると香りは開いた感じがするものの、少し渋みが出てきてやや衰えた印象。ただ、2日目でも温度を上げ気味にするとふくよかさが感じられ、悪くはない感じでした。1日目の印象が非常によく、かなり飲んでいたので、このワインは3日目に持ち越さずに終了となりました。
<感想>
熟成感は前面には感じませんが、華やかさのみならず妖艶さもあって、自然な熟成が感じられました。本来の良さを残しつつ経年した、という感じです。また味わいも非常に端正、色も抜群に美しく、クオリティの高さがよく伺えるワインです。複雑性は今一歩に感じたことと、やや落ちが早い感じはしましたが、エレガントでコスパもブルゴーニュとしては良いワインでしょう。
サンロマンの特徴、と言われると正直よくわかりませんが、標高が高く、石灰岩質でミネラル豊富、という調べると出てくる情報にはとてもよく合致した、エレガントかつ芯がしっかりしているワインでした。
また、飲み頃的にもいいタイミングでベストだったのではないかと思います。まだまだフレッシュさもあるので、もっと熟成したものが好きならばもうしばらく置いておけるとも思いますが、さらに複雑性や妖艶さが増すのか、あるいはこのまま枯れていくのかは不明です。
<得点>
84点 (83+1)