または、祈り 《詩》
呼吸が浅くなる
煙草を吸う昼
人々の口から吐き出される
得体の知れぬ白いもや
かつて、煙は神との交信手段だった
呼吸をしているだけでは
生を感じれぬ情けない肉体
だから、神と繋がる確かなものが欲しかった
煙草を咥える
火を灯す
ぶわっと吸い込み
祈りを込めて
吐き出す息
口から吐き出された白いもやは
縦横無尽に広がり
導きを心得ているように螺旋を描き上へ
上へ、上へ
午後からも無事に頑張れますように。
そう、人々は暮らしの祈りを煙にのせ
今日も世界中の至る所で
その儀式は行われる