くさいくつマジでクサwww
【文字数:約1,000文字】
すこし前にキャンプツーリングをした帰り道、ゲリラ豪雨に襲われた。
バイクのタイヤが水没しそうな深さの水たまりを突っ切り、あわやエンジン停止の危機を乗り切ったものの、履いていたブーツは中までグチョグチョになった。
これまで軽めな浸水があっても乾かして、履いた後は乾燥を徹底してきた。さすがに清涼感は得られないまでも、顔をゆがめるほどの悪臭は育っていなかった。
しかし今回の浸水は凄まじく、歩くたびブーツの中では水の感触がするほどで、脱いでひっくり返したら滝ができるような気さえした。
実際は中の生地が水を含んでおり、帰宅後には水分を取り除くのが最重要の仕事になった。
ただ、くるぶし丈のブーツは中まで日光が届きにくく、外側の硬いアッパー素材は熱や水分を通しにくい。
そうなると乾燥に長い時間がかかり、結果として「くさいブーツ」が出来上がる。
テーテテーレテレレー、という効果音にドラえもん(CV:水田わさび)が取り出す映像をイメージしたところで、何かしら特別な効果があるとは思えない。
マジでクサい。
消臭除菌のスプレーを吹き付けるというか塗りつけてもダメで、たぶん丸ごと洗うくらいしないと消えそうにない。
バイク用のブーツは専用のものがあるけれど、高いものは数万とかする。しかも私はバイクを降りた後に歩くのが目的なので、それなりの踏破性が欲しい。
普通のスニーカーやトレイルランニグ用のだと、ギアチェンジの突起を上げ下げするので破けてしまうから、甲のあたりも強くないといけない。
そうした条件を満たすのが軽登山に向いたトレッキング用ブーツであり、これまで野山の散策をする相棒として、大変お世話になってきた。
されど本来の使い方とは異なり、エンジンまわりの熱にさらされているためか、どことなく焼けたような跡はムシできない。むしろその傷んだ部分から浸水が悪化した可能性すらある。
おまえに悪意はないのだろう、と顔を近づける。
うむ、クサい。
靴底ソールが削れているわけでもないので、洗えば使えるような気もするけれど傷みは目立つ。
この際だから買い替えようかと思いつつ、様々な思い出のあるブーツをまだ履けるのに捨てるのは、やはりしのびない。
各地を自転車で旅したトレラン用ブーツも、買い替えるときは寂しい気持ちになったし、まだ履けると思ってしまうのが靴箱には数多い。
もうすこしクサいのと戦って、お別れするか決めようと思う。
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