べつに役立たない
『べつに怒ってない』 武田砂鉄
読了レビューです。
文字数:約1,200文字 ネタバレ:一部あり
本書は1つあたり1,000文字くらい、きっかり2ページのエッセイがひたすら続くという構成だ。
その内容は「これは斬新だ」と感心するのがあると思えば、あまり響かずに「ふーん」と流してしまうものなど様々で、人によっては金返せと憤るかもしれない。
明確なテーマ設定のあった同著者による、『マチズモを削り取れ』や『わかりやすさの罪』を読んだけれど、今回に関してはそういった指針が見当たらない。
そのために著者のファン向けとして捉えるのが適切と思われ、この人いつも変なこと考えているな、という感じで楽しむのが良いだろう。
とはいえ、まがりなりにもエッセイ集なのだから、印象に残った話をいくつか引用してみる。
タイトルと同じ「べつに怒ってない」の項では、悟りを開いているかのような著者の姿勢が垣間見える。
ファミレスに焦点を当てた「レジ周辺のオモチャ」は、欲しくないのに欲しい気になってしまう心理と、無駄遣いについて書いている。
この指摘を「たしかに」と頷いてしまう私は、子供の頃から無駄遣いをすることが多く、だからこそ「無駄でないもの」を真剣に考えるようになった気がする。
本書には他にも様々な項があるけれど、最後に面白いと強く感じた「三年前の夏のこと」を引用して終わる。
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