昼の夜空にロケットが打ち上がる 《詩》
朝からの雨が止んで
午後の試合をするか審議中
ベンチから出て見回せば
ぬれたアスファルトは
白い星雲を抱えて
隙間から幾多の星がのぞく
グラウンドにはぽつぽつと
星のない夜空が浮かんでいる
こんなときに限っては
氷の惑星みたいな白球も
重力に引かれて飛び立てない
本当の夜には役に立つ
照明たちも心なしか寂しそう
だけどぼくは知っている
夜な夜な彼らはロケットみたく
人知れず空を駆けている
そうしてどこか遠い銀河の片隅で
惑星規模のベースボールを観戦し
ぼくらの監督みたいに笑ってる
光の速さで太陽が戻る頃
夜空も消えて審議も終わる
さあさあ試合開始の号令だ
あの星に届くロケットみたく
ぼくらは白球を打ち上げる
初出:2024/09/08 note(書き下ろし)
#夏の1コマ の企画用に滑りこみセーフ、試合終了!
屋外スポーツに雨は付きものですが、とくに野球は大変な気がします。
補欠としてベンチから応援するだけの選手も、このときは自分のポジションを喜んでいたりするのでしょうか。
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なかまに なりたそうに こちらをみている!
なかまにしますか?