葉山のね 県美のちかく 御用邸
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割引券があったので神奈川県立の近代美術館 葉山館に行ってきた。
すこし前に神奈川県立 生命の星・地球博物館を訪ね、その半券を使えば割引されると知り、せっかくならということで。
ヘッダー画像は中庭にあるイサム・ノグチの「こけし」で、それを建物そばから眺めている物体が。
これはアート作品というより古代の装飾品で、岩戸山古墳から出土した「石人」だ。
建物は直線を多用しており、駐車場から最短で中庭に入るには細い階段しかなく、城に潜入するスパイのような気分が味わえる。
開催していたのは所蔵品を展示する加納光於「色、光、そのはためくものの」と、企画展「挑発関係=中平卓馬×森山大道」の2つ。
私としては前者が楽しくて、意味不明なコチラ ↓ をずっと眺めていた。
ハーマン・メルヴィル『白鯨』の登場人物が元になっているそうだけど、意味ありげな見た目をして何の役にも立たないのがサイコー。
左からver.1~7が、そばの床に置かれたver.8がコチラ ↓
ピアノ内部にあるハンマーを連想するけれど、軸で固定されているから動くはずもなく、横に突き出た棒はバイクのハンドルのようで。
ver.1~8と続くからには中身もグレードアップしていくかと思いきや、いきなり引き算しているのがあったりと、本当に意味不明で好き。
これの再現フィギュアがあったら欲しくなるし、ハンドル回すと音だけが出るオルゴールだったら5,000円だしてもいい。ただし、曲はスーパーマリオのテーマを選びたい。
ちなみに展示スペースの入り口はコチラ ↓
右にあるのは『夜想曲 Ⅰ』という作品で、コンクリートの円柱をキャンバスにしている。これこそワビサビというやつか。
初期の作品は形があるけれど、抽象的になった後期のほうが面白い。
館内の雰囲気が分かるのはコチラ ↓
もっとも油彩画で気に入ったのがコチラ ↓
音楽記号のフォルテ、あるいはヴァイオリンとかのf字孔みたく見えるけど、こちらに迫ってくる、もしくは謎の波動を出しているっぽいのが意味不明で好き。
たぶんメインと思われる企画展は写真作品だし、ホラーなのもあったので割愛。
外には屋外彫刻が点在しており、隣接する葉山しおさい公園や一色海岸などと一緒に楽しむのも良いだろう。
この場所は皇族の静養地とされる葉山御用邸が近く、特殊な空気を味わうのも楽しいかもしれない。