福祉業界におけるお客様は誰?
どうも、林田です。今年初の投稿となります。
今年も何卒、よろしくお願いします。
▼福祉業界におけるお客様の定義
まず、福祉業界というのは、サービスを利用される方を「お客様」としていますが、サービスの利用を申し出るのは、「お客様のご家族」であるケースが多くあります。
包括してみれば、「お客様のご家族」もサービスを利用者される方として捉えていく必要があるのは、言うまでもありません。
基本的な我々の仕事としては、お客様のサービス利用計画を立案作成し、それを提供しつつ、ご家族の方へ、支援の進捗の連絡やサービス評価もしていただくことがあります。
そして、その過程の中で、「連絡を丁寧に受け付けていただけるご家族」や「そちらに全てお任せしますご家族」や「もう一切連絡して来ないでくださいご家族」もおられます。
ここで留意点。こうした状態は、それぞれのご家族の考え方として、受け止めていかなければなりません。決して我々が審判的態度で捉えてはいけないことは、押さえておきたいところです。
▼お客様からの信用の蓄えは、共有から
私は、スタッフへ「ご家族に特段の事情がない限り、支援のプロセスは家族と共有していくこと」「チャレンジしたいことや、いま悩んでいることも含め、人間臭さを出しながら、連絡を取り合うこと」と伝えています。
何を今更と感じる方もいらっしゃるかも知れませんが、ここを甘く見積もっているスタッフや従事者に出くわすことがあります。
「こちらに任されているから、連絡はしなくて大丈夫」
「前の担当から、連絡しなくていいと言われたから」
「お父さんが亡くなって、本人のお姉さんがキーパーソンになって以降、帰宅がなくなって」
と様々な理由を列挙しては、「連絡しないことの肯定」を図ろうとします。
これは信用という蓄えを放棄した考え方です。いわゆる失敗の打ち手です。
信用は、丁寧かつコンパクトに回数を多くする打ち手が効果的と考えています。
つまるところ、【ザイオンス効果】です。
「ザイオンス効果」とは、同じ人やモノに接する回数が増えれば増えるほど、その人やモノに対して好印象を持つようになる心理現象のことです。
連絡ノートの一筆だけといった定型化したものだけでなく、自己裁量でできる心遣い、何げないご家族との談笑のなかに支援の失敗談や支援の本気度を加えること、こうした打ち手を足し算していくことで、信用は貯まっていきます。
今できることは、今する。
エッセンシャルワーカーはヒューマンサービスであるからこそ、お客様の定義は見誤ってはならず、失敗の打ち手を避け、信用貯蓄するアプローチは、きっと個人の強みとなり、事業所の価値となるでしょう。