料理の実験室〜すてっぷ6『失敗した料理をリカバリーする最善策は?』
やってしまいました…
先日の出来事です。
妻が美味しそうなズッキーニを買ってきてくれたので、何をつくろうかなぁと想像を膨らませていました。
●ズッキーニの栄養素は?
・カリウム:余計な塩分を体外に排出する
・ビタミンB群:1、2、6など。三大栄養素の代謝を促進する
・ビタミンC :コラーゲン生成に役立ち、たるみやシミそばかすを予防
・βカロテン:ビタミンAに変換、皮膚や粘膜の健康維持
瑞々しくてクセもないし、どんな料理でも活躍できる万能なお野菜ですよね。僕の一番好きな野菜です。
さぁて、どうしようかなぁ…
●「そうだ、フリットをつくってみよう!」
以前、お店で食べて美味しかった記憶があるぞ。
初挑戦ということで、天ぷらとフリットの違いを調べつつ、フリットは「ふんわり」仕上げるのがポイントであることが判明。
レシピは色々ありましたが、
・薄力粉
・牛乳
・卵
・塩
というシンプルな材料でできるものをチョイス。
ふるった薄力粉に牛乳、卵黄を混ぜたものを用意し、一方で卵白と塩でメレンゲをつくる。
そして、両者をまぜてふんわりとした生地をズッキーニにまとわせ、170〜180℃の油で揚げる。
片方は二度揚げして食感を比べてみよっと…ということで、はいっ完成!
………あれ?
一見、丸っこくてそれっぽくも見えなくもないんだけれど…
もしかして、衣つけすぎたのか?
(その辺り、ちゃんとレシピを見ていなかった。。初めてつくる料理なのに想像でつくりがち。。)
食べてみると、アメリカンドッグをすんごくふんわりさせたような食感で、生地は美味しい。
でも、生地の量が多過ぎて、せっかくのズッキーニの食感や味が霞む。
●…これ、失敗というやつですね。
しかも、調子に乗って実はたけのこver.もつくってて、合わせるとこの写真の量の倍はあるんですよね…
どうしよう。。
●本日の実験テーマ『失敗した料理をリカバリーする最善策は?』
最初はこの分厚い衣を剥がして使おうかとも思いました。
でも、かなりの手間だし、綺麗にいかなかったら余計に大変だし、マイナスにマイナスを重ねるだけだな…と。
う〜んう〜んと頭を悩ませていたその時、ふと神が舞い降りてきました。
自分は、理想のフリットのイメージやズッキーニそのものが頭に残っているせいで、この食べ物を「失敗作」、衣を「邪魔なもの」「失敗の原因」と捉えていた。
一度、そこから離れてみよう。
●「失敗」という捉え方を変える
これを「ズッキーニのフリットの失敗作」ではなく、「ふわふわの美味しい衣をまとったクセのない野菜」と捉えてみてはどうか。
そう考えると、途端にアイデアが湧いてきました。
このふわふわの衣に餡をまとわせたら、たっぷりと絡んでくれて美味しいのではないか…そう考えてつくった一品目が、ケチャップ・豆板醤・鶏がらスープをベースにエビチリのような味でとろみのある餡で仕上げた、
『ズッキーニのフリット・エビチリ風』
*傷心ゆえ写真撮るの忘れました
そしてもう一品、この衣にたっぷりスープを吸わせて口の中でほどけるようにしてはどうかと、牛乳をたっぷり使って完成させた、
『クリーミースープのオートミール・ズッキーニのフリット添え』
わぁぁぁ〜!どちらもふわふわ衣が活きててめっちゃ美味しい!!
妻も「えっ、もう普通にこういう料理みたいじゃん。すごいね…!」
と、無言でフリットを頬張ってくれていた昨日の姿が嘘のよう。
本当によかった…(;;)
●今回の実験の結論は…
失敗した料理をリカバリーする最善策は、「失敗」を「特徴」と捉えることでそれを活かした料理を新たに考えること。
丸焦げで口に入れられなくなってしまったものを活かすのは流石に難しいですが、よくある失敗を例に挙げると、
・しょっぱい
→十分に塩分が効いている
→出汁でのばしてみる?
・味がぼんやりしている
→ベースとなる風味はついている
→改めて味付けの方向性を検討してみる?
・煮込み過ぎた
→トロトロの食感
→何かにディップする?更に煮込んで完全にスープにする?
・半生だった
→まだ別の調理法に切り替えたりして火入れできる
→オーブンに入れてしっとり仕上げる?フライパンで焼いて香りを立たせる?
…というように捉え直すだけで、発想が豊かになるなぁと。
僕自身も、これからも失敗を恐れることなく、どんどん新しい料理にチャレンジしていきたいと思います!(つくったことがない料理をつくる時には、ちゃんとレシピを見ようね!!!←)