映画『ミュジコフィリア』(ネタバレなし)
一歩間違うと間抜けにしか聴こえない実験的なアバンギャルドという現代音楽の微妙な表現を見事なスコアと共に映像化している
劇中に流れる古典作品と現代音楽の狭間に「音楽とは?」という問いはまるでナイフを突きつけられたよう
ジョン・ケージの「4分33秒」の空白の中に聴こえる音楽
我々が普段耳にするポピュラー音楽がいかにソフティケイトされたものであるか…
現代音楽をここまで昇華させた映画は国内外でも珍しい
才能溢れる主人公を演じた井之脇 海さん、ストイックなバイオリニスト役の川添 野愛さん、コケティッシュなヒロイン松本 穂香さん
そしてなんと言っても苦悩を抱える異母兄弟の山崎育三郎さんの存在がこの映画を引き締めている
出番は少しだったが大塚まさじさんの味のある配役もお見事
舞踏を絡めたシーンは圧巻であった
原作の漫画も読んでみたくなる
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