９年目ダケのサンタさん。

　私たち親子がこの地に来て、もうすぐ１０年になろうとしている。思い起こせば色んなことがあった。あの日あの光景を見なかったら、自身のスイッチを切り替えれないまま、その果てはどうなっていたのだろうか？

衝撃的なあの惨事は私を目覚めさせ突き動かした。雷にでも打たれたかのように電気が走り脳内がクリアーになった。

霞が晴れ行く手が見えた。

今生きていることは奇跡。

　多くの別れがあった。新しい船出は華々しさなどとは程遠く物悲しげで寂しさが伴うなかで、微かな幸せを願う船出だった。なんとも言えない複雑な別れ。

　そんな不安定な航海の幸せを願うかのように、毎年街が華やかな季節になると、あるモノがウチに届く。その贈り主とは年に一回この時期だけのやり取りだけになってしまっていた。

　それでも彼女は、私たち親子の幸せを願い毎年X’masプレゼントを送り続けてくれていた。X’masガードにメッセージが添えられ、毎年欠かさず、私たち親子の幸せを案じてくれていた。そのご厚意にいつも涙し、お正月用の茶菓子などこの地の名産品を送っていた。

　そして去年、お子様も大きくなったのを機に、お友達サンタはお役目を終えた。

　どれ程、私たち親子が助けられたたか・・・

毎年、不意に届くそのプレゼントには、品物と愛と喜びが詰まっていた。

私たち親子がこうして、今笑って暮らせているのは、貴方のおかげでもある。

本当にありがとう！！！本当に８年間欠かすことなく、私たち親子を見守ってくれて。本当に、本当に、ありがとう。。。

　今度は私がサンタになる番だよ。最初で最後のサンタだよ。

８年間の感謝を乗せてお届けします。

そして、また逢いたね。お子さん達大きくなったかな？

よく遊んだ仲良し子ども達が再会したら、どんな感じなのかな？楽しみだね。

毎年、私が、サンタさんに助けられ励まされた夜。

貴方がくれた優しさや幸せを、

今年から、私は、

世界の幸せを祈る力に替えるよ。

ありがとう！ありがとう！

幸せを、ありがとう！

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