【ひとくち小説レビュー】グランドシャトー
おはようございます。
読了本のひとくち感想です。
本日は、この本!
『グランドシャトー』 高殿円
【おすすめ度】
☆☆☆
【あらすじ等】
義父との結婚を迫られた主人公・ルーはキャバレーに逃げ込む。
No.1ホステスの真珠の家に居候し、仲良く暮らしていた。
しかし、そんな真珠が下町に暮らし続けるのを不思議に思ったルーは彼女の過去を探るが…。
高度経済成長期の日本を舞台に繰り広げられる女の生き様の物語。
【個人的に好きな部分メモ】
①ルーが真珠の家に初めて上がるときにお昼にチキンラーメン出て喜ぶところがかわいい。
当時はチキンラーメンもかなり高かったんだな…。
開発されてすぐぐらい?ですもんね…。
②ルーの成り上がり這いつくばり物語としてものすごく面白い点。キャバレーから芸能人になる展開は見ていてスカッとします…。
芸能人になったあとの虚しさもキャバレーの変化とともに描いているところも好きです。
【感想】
何時の時代も景気と男の人って勝手だなぁと。
作中、キャバレーの売り上げが悪くなるシーンがあるのですが、
テレビの普及に合わせて、派手に女遊びをすることや、お酒を飲みに行くことが遊びではなく、だんだんと家でテレビを見ながらビールを飲むという、一昔前の家族の日常が遊びになっていったと思うと、娯楽の変化に応じて状況は変わっていくもんだなぁと強く感じます。
また、女性目線の作品だからかもしれませんが、男性がまぁ勝手。
1つの時代小説として読むと新たな発見のある作品だと思います。