マガジンのカバー画像

森逸崎さん家。

19
7人兄弟(女女女男女女女)や家族の日常と人間模様に関してのエッセイ。一番上は40歳、一番下は26歳、私は6番目
運営しているクリエイター

#小説

人見るもよし 人見ざるもよし 我は咲くなり

どんなに辛いことがあったとしても、祖母の前では決して、それを見せてはいけないと思っていた。 #我慢に代わる私の選択肢 意識された日常 誰に言われた訳でもないのに、祖母がいる食事の席で私は、いかに毎日楽しくて充実しているのかという話を聞かせることに徹していた。 それは嘘を吐くとか話を盛るとかそういうことではなく、例えば小学生のころ、友達とどんぐりでやじろべえ作っただとか、家庭科で作った炊き込みご飯が美味しかっただとか、そういう「私の世界の日常」を語るのだった。 今思え

ハイブランドを使い倒す女

本当に当たり前すぎて忘れてしまうのだけど、「モノ」に対する価値観も「大事」の定義も人それぞれだということを、母を見ているとすごく感じる時がある。  ◆◇◆ ケチャップにお茶、味噌汁に入っていた大根、そしてなぜか1m以上先のご飯つぶ。 2歳の甥っ子との食事(ならびに戦闘)は大体こんなもので、その日も「たくさん食べたね」と母は嬉しそうにテーブルを拭いていた。 だけどそのとき、私は目撃してしまったのだ。 見覚えのあるアルファベットの「H」を。 そしてそのまま、決して大げさで

番外編_ 父の昔話 「おもらしと検便」

. "あーちゃんとかんちゃんのおじいちゃん、つまりトトが、子どもだったころの話をしよっか。 トトの名前は知ってるかな? そう、マコト。 マコトには1つ違いの弟のヒトシってのがいる。 これは小学生だった2人の、ちょっとした「しかえし」のお話。" ゴロ、ゴロ、ゴロ ある日、次男のヒトシは、夜中にハッと目が覚めました。 お尻には、じーんわりと暖かくて、懐かしい感触。 そうなんです、ヒトシは小学5年生にもなって、おもらしをしてしまったのです。 あーやっちまった。 兄弟にバレ