見出し画像

過去に「続け」と願った道の途中、進めず着座してもなお?

 願った 確かに、願った
 切望した希望した希求した熱望した
 この道が、この坂が、命果てるまで続くことを
 
 あれからどれだけの時間が流れ、
 どれだけの叫び声が響き、
 どれだけの涙が結晶化し、
 どれだけ「もう嫌だ」という慟哭をあげたか分からない

 それでも進めと 貴方は言うのか

——坂の途中 登れず暮らすという——

 それすらままならず
 それずら赦されず
 ただ両脚が粉々に砕け散り
 頭ばかりがその体積を膨張させ続けた、
 その結果として、今、
 座骨と額を砂利に擦り付ける体勢で自分は、

 自分は、

 過去の己を呪い、
 ただひたすらにこの道の終わりを、或いは行き止まりを、
 もしくは袋小路に迷い込むことを、
 一途に小さく祈っている、それだけの痩躯と相成っている

【了】



   ※あとがき※
 珍しく長くなったのであとがき書きます。
 読む人が読めば分かると思うのですが、タイトルと冒頭は米津玄師さんの「地球儀」の歌詞から取りました。
……のですが、途中でGRAPEVINEの「坂の途中」が割り込んできたり、かと思えばほんの一瞬僕の私淑であるル・クレジオ大先生の短篇「マルタン」が乱入し、最後の最後はKing Gnuがかっさらっていくという、本当に意味不明な散文詩になりました(Syrup16gに手を出さなかった自分を褒めてあげたい!)。
 でもこういう、「元ネタ知らんけど読める、元ネタ知って頷く」みたいな読み物も、今後、断片のみならず書いても面白かもしれませんね。
 少なくとも俺は面白い。
 でもまずは質。精進いたします。

 ここまでお付き合いいただきありがとうございました〜!


作品の価値は金銭やその額では決してありません。しかし、もし貴方の心なり脳なりが少しでも動いたり震えたり笑けたりしたら、是非ともサポートを願います。