今こそ読んでほしい、この本。#読書の秋2022
こんばんは。
生後4ヶ月になる娘が産まれたばかりで、なかなか本が読めていないのですが、参加したいなぁと思っていたこの企画。
推薦図書に、懐かしい本を発見して嬉しくなったので、思わず綴っております。
横山秀夫さんの『クライマーズ・ハイ』を読んだのは、私が大学生の時でした。
当時、「顔」がドラマ化しており、警察小説として横山秀夫さんの作品を読み漁っていた私ですが、この作品に衝撃をうけたのを覚えています。
せっかくなので、文庫本を読み直して感想文を書きたかったのですが、現実生活の問題から、うろ覚えで失礼しますね。
とても有名な本書ですが、私自身、現代でも色褪せない傑作だと感じております。
私が生まれる前に実際にあった日空墜落事故を舞台に、新聞記者の主人公をめぐる人間模様が描かれていました。
主人公が登山している場面と、仕事の場面が交互に綴られていて、核心にせまっていくようです。
スピード感があるので、一気読みしてしまった私は、まさに『クライマーズ・ハイ』の境地を味わいました。
作中で問われている『下りるために上る』の意味は、読み終わったみなさんが考えさせられることだと思います。
人は何のために生きるのか。
普遍的なテーマの作品は、時代が変わっても必要とされるでしょう。
ネット社会と言われる今。
個人ひとりひとりが、メディアのようになって発信し、拡散して世論を形成することもあるかもしれません。
ネット上では、ある情報が拡散されていくうちにもともとは、誰がどんな想いで情報を発信したのかが薄まっていき、結局それが誰の意見や情報だったのかが曖昧になっていく気がします。
新聞が伝えない事実を得られるかもしれませんが、この作品に出てくるデスクや記者のように、自らの責任と命をかけて得た情報とは限らないですよね。
私は、やっぱり、たくさんの人の手を得て、発刊される本がすきなのです。
たくさんのひとの想いをのせて。
素敵な情報が溢れる社会にしたいですね。
こんな、今こそぜひ読んでほしい、この本でした。
喜木 拝