【読書ログ】『それでも食べて生きてゆく 東京の台所』 大平 一枝
大変遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
新年1発目の記事です。
年が明けて早々、いろいろなことがありました。
まずは、お気に入りだったノートパソコンが完全にダメになってしまいました…。
もともと、キーボードがところどころ抜け落ちて、無理やり嵌め込みながら使っていたし、もう何ヶ月も充電したままでないと使えない状態でした。
騙し騙し使ってきましたが、年が明けた直後に「こりゃもうダメだ」というところまで来てしまい、思い切って買い替えました。
長く使ってきたので名残惜しくはありましたが、新しいノートパソコンが届いてからはやっぱり快適で!
モチベーションや効率は格段に上がった気がしています。
そして、もうひとつは本のハナシ。
待ちに待った「1万円選書」で選書していただいた本が届きました!!
と・・・ここで選書していただいた本をすべて載せたいところですが、1冊1冊丁寧に味わってご紹介していきたいので、今はあえて載せずにおきます。
いったいどんな本を選書していただいたのか、この後の投稿をお楽しみに!
せっかくなので、選書していただいた今の気持ちを少しだけ。
選んでいただいた本のジャンルがバラバラなのはもちろん、もし自分で書店に行って本を選ぶなら、ほぼ100%手に取らないであろう、本のタイトルが選書リストに並んでいました。
届く前に、「いったいどんな本なんだろう?」と気になって、Amazonで書籍紹介やあらすじを覗いてみましたが、不思議とどれも今の自分に必要なものが詰まっている・・・そんな気がしています。
すべて読み終わった後に、私自身が何を思い、何を考え、そしてどんな風に自分を変えていくのか(あるいは、変えないのかもしれない)・・・なんだかそれも楽しみです。
届いたその日から早速読み始め、「1日1エピソード」とか「1日1章」とかって決めてじっくり読むはずが・・・次の物語が気になって気になって、読みきってしまったのが、1冊目『それでも食べて生きてゆく 東京の台所』でした。
選んでいただいた8冊のうち、この本を一番最初に手に取ったのは、「何も失っていない人などいない」という帯の文言に強烈に惹かれたのと、「ノンフィクション」であることがなんとなく気になったからです。
*注:普段の私はフィクションの本を手に取ることが圧倒的に多いです。
この本は、「台所」を切り口に、そこに住む人たちを取材し、物語を紡いでいます。
取材された方の名前は、基本的には明かされない形で。
テーマは「喪失と再生」。
本のなかには、”何か”や”誰か”を失いながら、それでも前を向いて歩いていこうとする方々がたくさん出てきます。
一人ひとり、バックグラウンドは違いますが、どの方のお話にも共感できるところ、一緒に胸の痛みを感じるところ、勇気をいただくところ…がありました。
エピソードやその方々の言葉ひとつひとつに心打たれるのはもちろんですが、個人的に感動したのは、大平さんの文章。
短いページに、ぎゅっとその方々の軌跡が詰まっているんです。
かといって、淡々と進んでいくのではなく、繊細で丁寧に、優しく綴られていて。
だからこそ、情景が浮かびやすく、心動かされる部分が多かったのだと感じます。
それに、随所で出てくる大平さんの心の動きや実際に取材を受けられている方に掛けた言葉から、本当にまっすぐに相手の方と向き合いながら、お話を伺い続けていることが感じられるんです。
そこから、目の前の方のお話を表面的なところだけで受け止めず、”本当に伝えたいこと”や、言葉にしない”本当の気持ち”にしっかりと思いを馳せながら、お話を伺う大切さに気づかせてもらい、「日頃、そんな風に目の前の人と向き合えているだろうか」と、自分自身に問いかけるきっかけをいただきました。
特に印象的だったお話は、「市井の食描く、フードライターの現在地」というタイトルで綴られた、フードライターの白央篤司さんのお話。
演劇の世界から、出版社へ飛び込み、編集の仕事をしていたところから、フリーライターとして独立。
ライターとして「事実だけを書く」ことを求められていたところから、「私」が出ることを求められるようになるまでの軌跡に、学ぶことや気づくことがたくさんありました。
これは、本文で出てくる白央さんの言葉です。
白央さんの今に至るまでの軌跡を知ったうえで、この言葉に触れたとき、
焦らなくていいんだ…!
ただし、やるからにはとことんやるべし。
そんなことを思いました。
自らの意志や想い、適性、そして社会のニーズ。
そこがピタッとハマったとき、より多くの人の役に立てるし、自分自身のやりがいも大きくなります。
ただ、なかなかそこにスムーズに到達できる人は少ないのではないでしょうか。
だから・・・焦る必要はきっとないんですよね…。
ただ、「いつかたどり着きたい」と思うなら、目の前のひとつひとつに全力で向き合うこと。
目の前のことに本気で取り組むからこそ、見えることがあるし、そんな風に向き合い続けることで、いろいろな出会いや出来事に導かれるようにして自分の使命に辿り着ける・・・そんな気がしました。
この他にも、心温まったり、背中を押されたり、励まされるエピソードが多数。
気になった方は、ぜひ手に取って読んでいただけると嬉しいです!
私は、大平さんが執筆された他のシリーズも、また追々読んでみたいなぁと思っています。
相変わらず、スローなマイペースですが(苦笑)、じっくりゆっくりと味わった本たちを、今後も引き続きご紹介できればと思っています。
今回もお読みいただき、ありがとうございました!!