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【観劇Diary】『ミスター・ムーンライト』〜信じることの尊さと難しさ

先日、演劇集団キャラメルボックスのクリスマスツアーに行ってまいりました。今年の演目は、23年振りの再演になるという『ミスター・ムーンライト』です。

主人公は、作家志望で今は図書館司書をしている鹿島。彼は気を失っている間に、別の人物が乗り移ってしまうという不思議な体験をすることになります。しかも、その人物は大学時代の友人である結城の妹・かすみ。彼女は半年前に交通事故で他界していました。かすみは鹿島の体を借りて何をしようとしているのか。徐々に明らかになっていきます。

私が一番印象に残ったのは、「見た目は鹿島/中身はかすみ」である状態で接した時に、どうやって、これを「かすみ」だと感じられるだろうかということでした。
かすみの友人や結城の妻は少しずつ受け入れていく一方、かすみへの想いが誰よりも強い兄・結城は、なかなか受け入れられません。

これはファンタジーですし、実際に魂が乗り移ったりするのかどうか、それは私にはわかりません。
でも、もしそういうことがあるのだとしたら、何をもってその人だと判断するのでしょうか。

外見ではないとしたら、
癖なのか?
発する言葉なのか?
その人しか知らない記憶なのか?

でも、最後は自分自身がその人だと信じるかどうかではないでしょうか。それはとても尊く、でも難しいことですね。その人への想いが強ければ強いほど、難しいのかもしれません。

そんなことに考えを巡らせていました。

キャラメルボックスのお芝居は、いつも人が人を思いやる気持ちを思い出させてくれます。

東京公演は12月20日〜25日です。

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