タイはどうしてコメの輸出国第一位だったの?
タイは長年、コメの輸出国第一位でした。今はインドにその場所を取られていますが、そもそもどうしてタイという国の米の輸出量が多かったのか気になります。気候?人口?栽培方法?政府の取り組み?タイの稲作について調べてみました。
タイってどんな国?
タイは東南アジアにある熱帯モンスーン気候の国です。年間平均気温は首都バンコクで29℃、湿度も平均73%です。蒸し蒸しです。日本の7月~8月のような気候が一年中続くということです。暑いですね。雨の方は、雨季と乾季があります。11月~3月はあまり雨が降らない乾季で、7月~10月は毎日1,2時間程度ののスコールが降る雨季です。
タイの稲作
一年中夏のようなタイでは、1年に2回も米を作ることができます。いいですね。日本は大体1年に1作です。九州地方では二期作を取り入れているところもあるみたい!
水は雨季は豊富にありますが、乾季は足りません。足りないために、灌漑施設を整備し、乾季でも稲作をできるようにしました。努力です。
雨が多い時期はずっと田んぼに水がある状態で栽培しているとも言われます。収穫期に船の上から刈り取りするなど、日本には見られない光景があるようです。その光景、見てみたいな。
タイはお米の輸出量世界一だった!?
米をたくさん作れる環境がタイにはあるということが分かりました。しかし、それが直接「輸出量世界一!」になるわけではありません。生産量の点から見ると、一位は中国、その次にインド、インドネシアなどが続きます。しかし、中国は輸出量はそんなに多くありません。皆さんも想像つくかもしれませんが、中国国内で消費するお米が多いということですね。
一方、タイはそんなに人口は多くありません。日本と比べると約半分です。生産したお米を国内で消費するのではなく、50%くらい輸出に回しているのです。
こういう説明の仕方をしてしまうと、余っているから輸出しているのかと思われそうですが、それも違います。タイでは、輸出用にお米を作っているのです。世界で好まれる長粒種のインディカ米がメインの品種で、種類豊富に栽培しています。いろんな品種を栽培し、世界中の需要に合わせているのです。中でも、香りが強いジャスミンライスなどは高級品として人気です。ネットでタイ米を検索すると「タイの香り米」というものが多く出てきました。私も一度どんな香りがするのか食べてみたいです。
タイの稲作は粗放的
稲の栽培方法は粗放的で、日本のように除草作業や防虫、病気などの対策はあまりしません。育苗し、田んぼに移植したら、あとはあまり手をかけない。
田んぼに水がたっぷりあるので、雑草は小さいうちに消えてしまいます。湿度が高い分病気にはなりやすいみたいですが、そこはそんなに気にしません。病気になるのはしかたのないことという考え方です。
収量は低いですが、稲作に手間をかけるものではないという認識なのでしょう。タイの人の稲作に対する考えはどんなものなのか、すごく気になります。
おわりに
タイはお米の国と言われるくらい、昔から米作りが盛んでした。輸出も積極的に行い、世界の人々のお米を食べたいという願いに応えてきました。 2020年現在、少し輸出量が減っています。これは稲作従事者の減少からでしょうか?貿易協定の影響でしょうか?まだまだ調べ切れていないことが多いです。これからタイの稲作がどうなっていくのかもう少し調べてみたいなって思います。