【読書メモ】波頭亮『成熟日本への進路』31
読んだ本
読書マインドマップ
読書メモ
III 仕組みの改革
三 官僚機構の改革戦略
②特別会計の解消
官僚組織が好きなことができるのは、ヒトや組織の強さとカネの面での強さが両輪としてうまく回っているから
→一方だけにメスをいれられても、もう一方が残っていると復元力が働く
→人事権の掌握とともに、特別会計の透明化も必要となる民主党の失敗
国家予算を一般会計と特別会計予算を合わせた207兆円とした
→政権についた途端、旧来の予算編成の仕組みとやり方に乗っかってしまった
→これでは、大きな政策転換は不可能(手厚い福祉の導入も、巨額の無駄の洗い出しもできなかった)
”統合会計予算”の制度を作り上げることを目指すべき
特別会計に流れ込んだお金と国民に支払われたお金の総額を突き合わせる
→差分を正確に補足し、差額分を政府資金として政治家の管轄下に置く分流、合流、還流を原則として無くす
統合会計予算は、他の先進国でも、採用・実現されている
特別会計の透明化と解消ができれば、2つの意味で大きな効果を得られる
国民財産の取り扱いが正確に補足できる
余剰資金の捻出
様々な試算のうちの最少額は、毎年10兆
→子ども手当を満額支給したうえに、現行の医療費の窓口負担を全額賄えることになる
感想
特別会計の余剰資金が最少額(毎年10兆円)だとしても、子ども手当を満額支給し現行の窓口負担を全部賄えるとは、正直驚きました。増税や社会保険料の増額をしなくても、特別会計を透明化し余剰資金を回すだけで何とかなるのではないかと思えてきました。
"統合会計予算"の制度を作るのに、「分流、合流、還流を原則として無くす」とありましたが、「原則として」を入れてしまうと、例外を作って抜け道ができてしまうので、「原則」の言葉はないほうがよいと思いました。
いいなと思ったら応援しよう!
最後まで読んでくださった方ありがとうございます。よろしければサポートいただけますと幸いです。本を買い、noteを書き続け、読書文化の輪を広げるために使います。