【読書メモ】波頭亮『成熟日本への進路』33
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III 仕組みの改革
四 国民が変わらなければならないこと
ヴィジョンを実現するには戦略が必要
→戦略を実行するには適切な組織と制度が必要
→その組織と制度は、掲げられたヴィジョンを希求する意思と価値観によって支えられていなければならない(でないと、戦略も組織も土台から崩壊する)日本は世界で最も弱者に厳しい国
「自力では行きていけない人達を国や政府が助けるべきだ」
→「そうは思わない」が38%に達している共同体のメンバーの間では互助と協調関係が強く、"自力で生きていけない人達"は、共同体メンバーとしての資格要件を満たしていない
なぜ共産主義が体制がうまくいかなかったのか?
人間が天使ではなかったから
→私利私欲に政治を使ってしまう貧しかったから
→食えることが保証されると人間は自由を求めるようになるが、共産主義体制はそれを抑制する
十分に豊かになった、成熟化した社会であれば、共産主義はうまくいくのではないか?
→食えない人を見殺しにするよりも救ってあげたほうが平安な気持ちでいられるだろうから
→もともと日本人には勤勉精神もある。「働かざるもの食うべからず」は「福祉にぶら下がって生きる方が得」というモラルハザードに対する有効な抑止力となるもの互助と共生の価値観をもつこと
国民こそが主権者であり、自らが能動的に社会を形作っていかなければならないという意識を持つこと
感想
日本人が、他者を助けようとしないのも、国家や自治体に対して能動的に働きかけないのも、共同体がすでに与えられたもの、自然にそこにあるもの、という感覚があるからでないかと思います。その価値観をどうやって転換していくかが、成熟日本へのカギになると思います。
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