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【読書メモ】波頭亮『成熟日本への進路』23
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読書メモ
III 仕組みの改革
一 行政主導政治の仕組み
(2)三権分立の頂点に立った官僚
日本の官僚と官僚機構が凄いところ
国の政治機構の中で頂点の位置を占めることに成功したこと
フェイルセーフの仕掛けを十重二十重に張り巡らせたシステムを築き上げていること
大臣よりも、国会よりも、司法よりも上位に官僚機構を位置づけることに、官僚は成功した
官僚による立法権の乗っ取り
→法案を官僚がほぼ独占的に書いた大臣には従わない
→大臣が、行政の方針を変更しようとしたときの戦法
→レクチャー、リーク、サボタージュ大臣は自分が統括している省庁の人事権を実質的には握っていない
→更迭が行われたのは、田中真紀子外務大臣の局長一人
→汚職事件の嫌疑がかけられた防衛事務次官も、小池百合子防衛大臣との大バトルの末、辞職という形が精一杯
司法は大臣ほどにも問題にしていない
行政は司法から治外法権化している
→行政裁判は、事実上、行われていないに等しい
→20万強の紛争のうち、裁判になるのは2,000件、行政に勝てるのは、その約1割
官僚機構を改革しない限りは、日本の政治の変革は決して実現しない
感想
見れば見るほど、官僚が日本の権力であることがわかります。特に、大臣に従わないときの戦法が、かなりエグいもので驚きました。(しかも、官僚と戦ったのが女性の大臣の例ばかりなのですが、女性のほうが官僚と戦えるのでしょうか?)
この話を聞いているかぎり、政策の抜本的な方針転換をするのは、ほぼ無理な気がしてきました。やはり、開国や敗戦のように、外からの変化の強制が必要ということでしょうか?
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