【読書メモ】波頭亮『成熟日本への進路』27
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読書メモ
III 仕組みの改革
二 官僚機構を構成している四つのファクター
(3)ブラックボックス化した特別会計による「莫大な資金力」
特別会計:官僚機構がやりたいことをやり、自己増殖を遂げていくための資金源として、複雑かつ緻密に作り上げた会計制度
官僚のサイフ
国会のチェックがほとんど入らない
一般会計ほどには厳しいチェックを受けない
「巨大」「複雑」「自由自在」という特徴をもつ
特別会計の特徴
金額の巨大さ:特別会計は一般会計の4.6倍
複雑さ:整理統合が進んできた2009年度すら、21種類もの特別会計が存在する。21の特別会計の中に合計53の勘定がある
→それぞれにお金の出入りも運用のルールも異なっている
→複雑なことをしているのは、ブラックボックス化するため(財務官僚と会計検査院のエキスパートですらわからない)自由自在さ:特別会計に流れ込んでしまったお金は、"異なる定め"によって好きなルールで使ってよいと、財務省がお墨付きを与えてしまった
感想
データと人と金のすべてを掌握しているとなれば、向かうところに敵なし、といった感じがします。これは、一気に出来上がったものではなく、時間をかけてゆっくりと、この形になっていったのだと思います。解体するには、構築にかかった時間以上の時間が必要になると思います。
「自己増殖」ということばがふさわしいように、官僚機構は、自ら意思を思っているかのように、個々の官僚による内からの改革も、外からの改革も阻んでいます。この強力な組織を変えるには、何か予想外の巨大な力が要るのかもしれません。
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