【読書メモ】神田房枝『知覚力を磨く』15
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読書メモ
第3章 見えない世界を観る ― マインドアイの系譜
私たちの眼は「検索モード」にとらわれている
知覚的盲目(非注意性盲目)
人間の注意力が低下し、新しい変化を見過ごしやすくなっている
マルチタスクによって引き起こされる
「検索」という行為によっても引き起こされる
探し物を見つけるために見る
何かを期待しながら見ている
「純粋によく見る」行為をしていない
「ゴリラ」を見落とすとき、何が起きていたのか?
見落とした原因
人間の視野は中央部分が最もシャープ
→周辺部に眼を向けることに慣れていない特定の目的を意識しながら何かを探していると、知覚し損なう可能性がある
タスクが複雑だったり多忙だったりして、より高い集中力が求められると、眼の使い方がいっそう「検索モード」に傾く
「目的なく見る力」が価値を持ちはじめた
「純粋に見る」の消極的な定義:目的を持たずに見ること
ただし、漠然と眺めるのとも違う
部分と全体の視覚的刺激を総合的に受け入れようとする態度がある
混沌とした状況では、日頃から「純粋に見ること」の価値が高まる
→新たな発見や発想へと導かれやすくなるゴリラを発見できた医師は、肺結核も知覚できた
「純粋に見る眼」と「目的を持って探す眼」の両方を備えていた
感想
知覚的盲目(非注意性盲目)とは、アンコンシャス・バイアスから生み出されてそうな感じがします。検索モードと同質のものであると考えることができそうです。人間の眼は、見たいものを見る性質があるのだと思います。
よく間違い探しで見つからないことがよくありますが、これも、自分の頭にある整合性を優先した見た結果、間違いに気が付かない、ということもありそうです。
また、全体を統合して見る、ということにも慣れていなさそうです。部分を合算すると全体になるというわけではないこともあります。では、全体そのものを見るにはどうしたらいいでしょうか?
CTの画像からゴリラを発見した医師たちは、「純粋に見る眼」と「目的を持って探す眼」をどうやって切り替えたのでしょうか?そのあたりもわかるとよいと思いました。