【読書メモ】波頭亮『成熟日本への進路』26
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III 仕組みの改革
二 官僚機構を構築している四つのファクター
(2)人事自治権と共同体ルールによる「組織的結束力」
「組織の結束力」は、官僚機構の類い稀なる最大の強み
日本の官僚機構は、軍隊型の強みに加えて、柔軟性ももつ
省益が侵されるのを嫌い、他省庁とは組まない
→官僚機構に対する侵害や攻撃には、一気に団結する全体としては上意下達
→局所局所で官僚一人一人が状況に応じた適切な判断ができる
官僚機構の結束力を実現させているもの
年功序列・終身雇用
→整合的で合理的な共同体ピラミッド組織組織に背を向けた者、組織内の掟を破ったものに対しては、厳しく、残酷
→鉄の結束力を持つ集団特有のもの官僚機構の弱点となりうるもの:完全な縦割り組織
→それを補うために、財務省が、ヒト・カネ・器を一元的管理をした(財務省の同期が総務省と人事院に出向して、官僚機構全体の給与と定員と人事をコントロールする)
465万人の利権と世論の圧力
官僚機構の強力な"石垣"
→公務員そのもの(465万人)
→存在自体がパワーそのもの
→利害共有集団であり、国民として強力な世論を形成し、選挙権を行使し得る
感想
官僚機構は、人の集まりというより、組織そのものが生き物のように感じました。いったん取り込まれると、自分の意思に関わらず、組織の一部としてしか生きられなくするような作用を、個人に及ぼしているのだと思います。
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