【読書メモ】波頭亮『成熟日本への進路』13
読んだ本
読書マインドマップ
読書メモ
II 経済政策の転換
二 成長論から分配論へ
給付についての重要なポイント
→「直接給付」であるか「間接給付」であるか
→どちらを選ぶかで、所得移転の意味合いも、効果も異なってしまう直接給付:政府が給付対象者に直接支給
間接給付:給付のプロセスに、事業者や業界団体が介在する形態で行われる給付
→就労者に渡る金額がまちまち、事業所の赤字補填に使われてしまうことも国民に対する社会保障を目的とした給付は、直接給付でなければならない
→直接給付の制度には、ベイシックインカム(BI)と還元金付き所得控除制度(マイナスの所得税)があるベイシックインカム(BI)
基本理念:国家による国民の生存権の絶対的保障
国民全員に対して一律に月々決まった金額を国家が支給
セーフティネット型の給付制度
還元金付き所得控除制度(マイナスの所得税)
理念:累進課税と同じ(裕福な人ほど多く負担、所得が低い人ほど多くを与えられる)
累進課税の税率がマイナスの方向にまで延長されたもの
共生・調和型社会に向いた福祉税制
ベイシックインカムでも、マイナスの所得税でも、社会のセーフティネットは整備できることになる
→十分なレベルの給付水準が設定されたならば、生活保護や年金がなくて生活できるようになる
→煩雑な所得控除や些末な手当の支給の規定も不要になる
感想
ベイシックインカムは、社会のセーフティネットとして、早く実現するとよいと考えています。
再配分という観点からもそうなのですが、もしもというときの保障があれば、もう少し、チャレンジングな選択を人々ができるようになるかもしれないという期待があるからです。
例えば、社会のセーフティネットが十分機能していれば、リスクをとることもでき、独立や起業も増え、産業のシフトが容易になるかもしれない、という期待ができます。
そういう意味でも、ベイシックインカムは試してみる価値はあるのではないかと考えています。