【読書メモ】波頭亮『成熟日本への進路』4
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読書メモ
I 二一世紀の日本の国家ヴィジョン
三 新しい国家ヴィジョン:国民の誰もが医・食・住を保障される国づくり
日本の成熟を証明した理由
→日本が目指すべきヴィジョンも取るべき政策も、一直線に決定されるから政策のダッチロールの大半は、成熟化社会に向けた政策と経済成長に向けた政策が混ざってしまっているため(方向性が決まっていない)
経済構造や社会構造が成長フェーズを終えてしまっているため
国家の使命とは、国民に安心・安全で豊かな生活を提供すること
内閣府大臣官房政府広報室「国民生活に関する世論調査」(2008年)
「悪くなっていく」と見通す人が「良くなっていくの」と見通す人の3倍
「不安を感じている」が「感じていない」の2倍
政府はどのようなことに力を入れるべきか
医療・年金等の社会保障構造改革(72.8%)
高齢社会対策(57.2%)
OECD調査
日本の貧困者の割合はかなり高い
→相対的貧困者(その国の平均年収の半分以下の収入を得ていない改装)が14.9%
→経済状況を考えると、増加していく可能性が高い
こうした状況と経済予測、国民の生活意識のデータを合わせて考えると、これからの日本の国家的テーマは、高齢者を含む社会的弱者に対する対応策が極めて重要になることは明らか
感想
『成熟日本への進路』が刊行されたのは2010年。2022年になった現在でさえ、社会保障、高齢化社会、貧困、どれ一つをとっても、解決したとは言い難い状況です。
経済が成長フェーズにないとはいえ、ここまでデフレが続くのも特異なことです。規制や終身雇用など、いろいろ原因はあるのでしょうが、個人が自分が生き残るために守りに入ろうとすればするほど、日本の国家の状況は沈没するように思います。
自分の手の届く範囲を超えて、公共の利益のことを考えるのは、ヴィジョンを失ったままでは難しいと感じました。
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