【読書メモ】波頭亮『成熟日本への進路』18
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読書メモ
II 経済政策の転換
四 この国のかたち:社会保障と市場メカニズムの両立
デンマーク
→市場対応力が高い企業経営が可能になっている働いている人を即座に解雇できる
生活保障が万全な形で整っている
生活手当も生活保証も手厚い
再就職のためのさまざまな職業訓練を無料で受けられる
高福祉だからこその自由経済
私企業に過剰な雇用を強制することは、資本主義のルールから逸脱している
労働者や失業者の生活を守る仕事は、政府の仕事
企業活動の自由を抑制するような規制が制定されてしまう
→国民経済全体の効率と生産性が損なわれることになるただし、手厚い社会保障は、そうぶら下がり家の危険を孕んでいる
→手厚い社会保障と固い雇用保護の組み合わせは、国民経済を不健全にする
→企業はなかなか解雇できないので雇用を抑制しがちになる
→失業者は就職のチャンスが与えられないため、働くことに対するモチベーションが下がってしまう企業の自由な活動を認めることが大事
感想
労働市場に流動性がない場合は、国民経済全体にとって、手厚い社会保障はかえって害になることがわかりました。
デンマークも高福祉社会ですが、手厚い社会保障と固い雇用保護の組み合わせの国のようなモラルハザードがないのが不思議に思いました。国家が保証するのは最低ラインで、それ以上のものを手に入れるには、働くより他にないのがその理由でしょうか。
手厚い社会保障と自由経済の両立ができるのはわかりましたが、手厚い社会保障と自由経済の両方を一度に進めるのか、どちらかが先であとからもう一方を進めていくのか、も知りたいと思いました。
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