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ラグジュアリーたらしめる物

ラグジュアリーをラグジュアリーたらしめるものは何か。そしてそこから自分たちのビジネスにどう活かせるのか、考えていく。


こんにちは、国武凜です。
今回は「ラグジュアリーたらしめる物」と言うテーマで、自分が今一番熱中しているラグジュアリーに関してお話していきます。どうぞ最後までお付き合いください。

※今回の記事は著書「ラグジュアリー戦略」を参考にさせていただいております。アマゾンリンクを貼っておくのでよかったらチェックしてみてください(ちなみに僕はメルカリで3,500円で購入しました)
・「ラグジュアリー戦略」
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%BC%E6%88%A6%E7%95%A5%E2%80%95%E7%9C%9F%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%92%E3%81%84%E3%81%8B%E3%81%AB%E6%A7%8B%E7%AF%89%E3%81%97%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%8B-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3-%E3%83%8E%E3%82%A8%E3%83%AB-%E3%82%AB%E3%83%97%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AC/dp/4492556826

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では本題です。

まずはラグジュアリーブランドの定義から話を始めた方がいいのかなと思いましたが、確固たる定義がないのが事実です。なぜなら、ラグジュアリーとは相対的なものの集合、いわゆる「グループ」であるからです。時代の価値観や、それまでの歴史、国の文化やそこで語られる神話、こういったものの集合が「ラグジュアリー」というものを生むのです。
フランスで生まれたブランドとイギリスで生まれたブランドが全く違うように、同じフランスで生まれたブランドもそれぞれ全く違うように、「これっ!!」といった定義がありません。

一方で、ラグジュアリーブランドではないブランドとは何か。ラグジュアリーとの違いはどこにあるのか。これは一つ答えがあって、「目的地の違い」だったりします。
例えば「レクサス」。これは高級車と言うイメージがありますが、ラグジュアリーではありません。もともとこのレクサスと言う車は、トヨタがアメリカに向けて販売した車で、広告の際にBMWと比較してレクサスの良さをアピールしたそうです。この時点でレクサスはラグジュアリーではなくなりました。なぜなら、ラグジュアリーは比較されない独自の聖域を持ったものであり、最高級の品質を追い求めることに興味がないからです、それらは機能面で他社を上回ることを意識していません。市場で「ポジション」と言う相対的地位を得るのではなく、そこから抜けた独自の世界観・ユニバースを創造することが重要です。一方上位ラインやプレミアムブランドは、最高級の品質で、最高級のサービスで戦います。これは既存の市場をベースに他社と比較して1位を狙う戦い方で、ラグジュアリーの戦略とは全く異なるものです。1位になることが目的なのか、それとも世界観を創造することが目的なのか、これは大きな違いです(ラグジュアリーが独自の世界観を創造することを目的として意識しているかはともかく、そうなっているのが事実である)。

ラグジュアリーというものを確固たる定義を持って理解することができないので、どうしても手触り感のないふわっとした説明になってしまいます。数学や物理が大好きな人、また現実主義者の方や前例を踏襲することを好む人からしたら苦痛な作業ですが、それはごめんなさい。ラグジュアリーは商品ではなく作品で、それを理解することは芸術を理解することや音楽を感じることと同じです。論理の上に立ってはいなくて、いつだって感性の上に成り立ちます。そういった意味で行くと、AIが作れるブランドがラグジュアリーブランド以外で、AIが作れないブランドがラグジュアリーブランドと言えるかもしれません。

少し話がそれましたが、ここまで「ラグジュアリーとは」を説明して行きました。ではここからテーマにある通り「何がラグジュアリーたらしめているのか」ということなのですが、たくさんの観点からそれらを発見できます。例えば人間の心理から見てみると、「ヴェバレン効果」「スノッブ効果」「バンドワゴン効果」が挙げられます。それぞれの具体的な説明に関しては下記にリンクを載せておきますので、後ほどご覧ください。

・ブランドを支える「ヴェブレン効果」
https://note.com/rin1028k/n/n26d8f3f8638a
・見栄っ張りから金を奪い取る「スノッブ効果」
https://note.com/rin1028k/n/nf4120ea330e3
・アーリーマジョリティへの対策「バンドワゴン効果」
https://note.com/rin1028k/n/n3dd162ccb8bf

それ以外からの観点で見ると、「時間」は外せない要素であります。

ラグジュアリーは歴史の価値を知っています。その価値は計り知れないほど大きく、また多くの人を魅了します。全てのラグジュアリーブランドには「歴史」という時間を有しており、それを粋な程度にアピールしています。もっと踏み込むと、単に歴史を持っていてもダメでそこから生まれるストーリーや神話、こういったものがラグジュアリーたらしめる一つの大きな因子だったりします。ラグジュアリーが提供しているのは商品ではなく作品だと上述しましたが、もっと具体的に「歴史や神話を具現化したもの」を提供していると言えます。
さらに、単に歴史という過去の時間を有し、伝承しているだけではラグジュアリーではありません。もし歴史のみ存在するブランドなら、それはとても古臭く、多くの人を魅了するとは言えないでしょう。そう、「現代性」という、現在進行形で流れている時間さえも纏う必要があります。「歴史を伝承し、そこに現代性をまとった作品」がラグジュアリーが提供する本質的な価値なのです。

ラグジュアリーが持つ「役割」という観点からも、ラグジュアリーたらしめるものが見えてきます。それは「社会階層化」です。
はるか昔(だいたいルイ14世が生きていた時代)は、ラグジュアリーは肉体労働をしてはならない貴族や王などの上流階級のみが持てる物でした。不平等主義者に支えられた社会階層化が生み出した所産がラグジュアリーであり、そして社会は人間によって構成されます。そうなると、人間とラグジュアリーは切り離せそうもなくて、それぐらいに人間の本質をついたいわば「必需品」でさえあるのかもしれません。また、ここで気づくこととして、「社会階層化が生み出したものが社会階層化の役割を果たしている」というなんとも皮肉なことが見えてきます。血統や家柄のみによって階級が決まる社会だったのが、主に18世紀産業革命以降、変化が起きます。それは、富のの大きさに伴って階級が上がることも、はたまた下がることもある、いわば自由平等社会が誕生したという点です。この変化は、ラグジュアリーが誰の手にも届くということを可能にしました。我々庶民の身近なものになり、そこからラグジュアリーという言葉を耳にする機会が増えて行きました。今では「オプリュークス」や「マスラグジュアリー」、「アクセシブルラグジュアリー」などいかにもラグジュアリーから派生したような言葉が氾濫していますが、こういったこともあってラグジュアリーの全体像・大枠が掴みにくくなっている現状があります。とにもかくにも、ラグジュアリーを持つことが誰でも可能になり、持っている人間はそれだけで自分の階級を示す(もしくは誇張する)ことができるのです。
しかし、「社会階層化」の役割を持つのはラグジュアリーだけではありません。そうではないブランドの商品を手にすることでも、「ああ、この人はこれぐらいの階級の人か」と識別できなくはないので、その点でラグジュアリー独自の特徴とは言えません。


ラグジュアリーたらしめる物としてここでは「人間の心理」「時間」「役割」という観点から話していきましたが、他の因子を挙げればきりがありません。それほどまでにラグジュアリーは巨大で、神秘的で、計り知れないものです。一見僕らの私生活に何の関係もなさそうなラグジュアリーではありますが、その特徴や誤解を解くことは、どのビジネスにおいても重要なことを我々に教えてくれることでしょう。もっとも、ラグジュアリーを知るにはそれが生まれた背景・歴史を学ばなければなりません。今回参考にさせていただいた著書「ラグジュアリー戦略」では、その部分がぎっしり細かく説明されているので、ぜひチェックしてみてください。

・「ラグジュアリー戦略」
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%BC%E6%88%A6%E7%95%A5%E2%80%95%E7%9C%9F%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%92%E3%81%84%E3%81%8B%E3%81%AB%E6%A7%8B%E7%AF%89%E3%81%97%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%8B-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3-%E3%83%8E%E3%82%A8%E3%83%AB-%E3%82%AB%E3%83%97%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AC/dp/4492556826


今回は以上となります。最後までお付き合いくださり誠にありがとうございました。ではまた。

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