間違った進路指導
中学校3年生の1学期のゴールが見えてきた。
この先は、特に3年生の先生は生徒の進路指導に力を注いでいく。
ここで、植松さんの「間違った進路指導に負けないで」
という文章を紹介したい。
現在の進路指導は、「医者になりたい」「サッカー選手になりたい」「〇〇大学に入るために〇〇高校に行きたい」といった生徒の声に対して、多くは、肯定し、伴奏する傾向になってきたのではないかと感じる。
しかし、夢(植松さんはこの本で「意思」と定義している)の解像度が低く、「サッカー選手になりたい」と話していた生徒の話をそのまま進路先に繋げるのは危険である。
「なぜサッカー選手になりたいのか?」
「サッカーがなぜ好きなのか?」
「サッカーのどこがワクワクするのか?」
「なぜ〇〇ではなく、サッカーなのか?」
などと解像度を上げる質問をこちらから投げかける必要がある。
そうすると、
「なぜサッカー選手になりたいのか?」
→有名になってたくさんお金を稼ぎたいから
「サッカーがなぜ好きなのか?」
→自分がコツコツと努力を続けた成果が試合で発揮され周りの人から認めてもらえるから
「サッカーのどこがワクワクするのか?」
→絶体絶命のピンチを守り切ったとき
「なぜ〇〇ではなく、サッカーなのか?」
→チーム全体を俯瞰して見て、どのようにしたら得点を決めることができるか、守り切ることができるかを考えるのが好きなため。
上記の回答は私のサッカーについての考えをまとめたものである。
私は、注目されたかったり、コツコツと何か続けることが好きである。
また、追い込まれたピンチの時にもどこか冷静で、なんとかしてやろうという気持ちがある。そして、チーム全体を考えて、目的を達成することを考えるのが好きなのだ。
私は昔、サッカー選手になりたかった。
しかし、現在の仕事でも、自分がやりたかったことができていると感じている。
つまり、サッカー選手になりたい夢を応援しつつも、
実は、今の考え方だとこんなこともできる、あんなこともできる
と視野を広げることで違った視点をアドバイスできるかもしれない。
生徒の「やりたい」「得意なこと(無意識でできること)」
を引き出すのが私たちのできることかもしれない。
「大人が嫌な顔をしない職業や進路」
を選ぶことは今の時代は少なくなったように思える。
(もちろんまだまだそのような進路指導はあると思うが)
一方で、生徒や保護者の話をそのまま聞いて、進路指導を続けていると
突然、進路先の方向転換を余儀なくされ、生徒も大人もあたふたすることになる。
進路指導で大切なのは、生徒の思考の解像度を上げることである。
その上で、今までの進路指導の経験を活かし、進路先の選択肢を広げることが私たちの役割なのかもしれない。