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目が覚めた夜中に、微睡ながら

『まどろむ』って『微睡む』って書くなんて、知らなかったよ。

どうでもいい呟きから書いてしまったけど、なんだか漢字に違和感を感じてしまったんだ。
もっと崇高で、難しい漢字かと勝手に期待してた。

人がアイディアを思いついたり、難問を解くヒントが浮かぶのは、どんなときだろう・・・というので、よく聞くシーンに、「湯船に浸かっているとき」というのがある。
かく言う私もその一人で、仕事の困りごととか、経済の問題とか、事件の犯人の勘違いを説く言葉とか、恋のこととか、頭を抱えていることを、湯船の中で膝を抱えて・・・いや、抱えてないか・・・微睡みながら考えるていると、ふと、答えが見つかったりする。

ひと月ほど前、引越しの緊張からか不眠気味の私は、夜中の2時前に目が覚めて、まどろみながら久しぶりにnoteを書いていた・・・。

あれ? 書いた形跡がないんだけど・・・。 下書きにもないよ??
うーん、Twitterだったっけー??
まさか、夢!?

眠れないから寝ようとして、ベッドや布団で丸くなることも大切だけど、ソファーとかで微睡みながら、なぜだろう? どうしたらいいんだろう? あれはどんな意味だったんだろう? と考えるのも、人生の大切なひと時じゃないかなと思う。
もちろん、何日も眠れず、日常生活に支障がでない範囲でだけど。

『あのとき、どうして彼女はあんな顔をしたんだろう』 とか
『どうして彼はあんなこと言ったんだろう』とか
『人間はどうしてこうなってしまったんだろう』とか
『どうしてオトンとオカンは結婚したんやろ』とか
ぼんやり考えていると、気づかなかった何かがわかるかもしれない。
  (オトンとオカンのことは、気づかない方が良いかもしれない)

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夜、山の中を歩いていたら、ヒグマに逢った。
ヒグマは立ち上がった。 3メートル近くありそうなその巨体に、僕は凍りついた。
ヒグマは言う、『俺腹減ってんだ、お前を食べていいか?』
僕が言う、『え、え、えー。 そ、そ、それはちょちょっと・・・』
ヒグマ:
『俺は腹が減ってるからお前を食うんだ、お前らはいつも必要以上に食ってるだろ、それに余ったって捨ててるやろ。オレらは違う*。それにお前はもう十分生きただろうし、もういいやって顔してるぞ』
僕:
『何もかもお見通しか、さすが、神の使いだ・・・』
ヒグマ:
『昔、そう言われてたみたいだが、もうそう言う人間はずいぶん少なくなった。最近じゃあ人間に危害を加える害獣としかみてないだろ』
僕:
『ああ・・・。人間はそのレベルの生き物になってしまったのです。命の尊さも、自分たちの都合の良い解釈や対象にだけ使ってるし、崇高さのかけらもないです・・・』
ヒグマ:
『そうだろ、じゃあいいよな、子供ならかわいそうに思うこともあるがな、お前に子供いなさそうだしな』
僕:
『い、いやー、ホント、何もかもお見通しだなー、困ったなー。ところで君たちも他のヒグマの子供襲うんじゃないの?』
ヒグマ:
『あー、それはバカどもだけだよ。誰でもそうってわけではないさ。もしくは極端に腹減ってるとな、神の使いといえども理性が飛ぶのさ。ま、俺は若くないから、相当腹減らないと飛ばないけどな。俺の子供もいるしな』
僕:
『そっかー、子供いるんだ、すごいね。オイラにはいない』
ヒグマ:
『子供どころか、彼女も嫁もいないだろー、顔に書いてあるぜ』
僕:
『うっ・・・、彼女は・・・・・はははははは・・・・・』
ヒグマ:
『じゃあいいよな』
僕:
『いやいやいや、ちょっとまってー、俺不味いよ、結構歳行ってるし』
ヒグマ:
『俺たちは、お前らみたいに子供食って喜ぶ種族じゃねーんだ、子牛だの、子羊だの、若鳥だのってな』
僕:
『あー・・・ぐぅの音もでないっす・・・』
ヒグマ:
『じゃあな、あきらめろ』
僕:
『いや、ちょっと、まっ!!』

ドスッ!!

酔って寝てしまった彼女の足が、僕の顔面にはいった。
ヒグマのパンチより全然マシだが、背中は汗でびっしょりだ。

今夜は、微睡めそうにないや・・・
ビール、まだ冷蔵庫にあったかな・・・

(おわり)

#眠れない夜に


*遡上した鮭の食べ方等、諸説あります。
ヒグマの発言箇所はフィクションで、ヒグマの生態に基づくものではありません。

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