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絶メシを止めるな!「絶メシロード」を観て

元日の深夜に放送された「絶メシロード」。

このドラマは地方旅、一人時間、グルメが好きなサラリーマンの方にはぜひ見て欲しいです。

普段ドラマを見ない私が、このドラマに出会ったきっかけと魅力を書きます。

「絶メシ」との出会い

街と田舎の2拠点生活を実現したくて、情報集めをしている中でたまたま見つけたのが、「絶メシリスト」。

「絶メシ」とは、地元に愛されているが、跡取りがいないために”絶滅の危機”に瀕している絶品グルメのお店のことで、絶やさせないための活動を博報堂ケトルがプロデュース・推進しています。

「絶メシリスト」は、絶メシを提供する各地の店舗を掲載しており、高崎市・石川市・柳川市との連携プロジェクトとして、地域活性に取り組んでいます。書籍も出ています。


ドラマ「絶メシロード」とは

2020年1〜4月に連ドラとして放映されていたようで、今回は復活特番としての放映でした。

主役は「カメラを止めるな!」でおなじみの濱津隆之。といっても、私は同映画を観ておらず、どんな演技をする人なのか、事前情報はありませんでした。どこにでもいそうな中流世帯サラリーマンで、結託する妻と娘に挟まれて肩身が狭そうな役柄がハマってました。そんな主人公・民生が、妻と娘がアイドルのライブに出かける隙に、絶メシを求めて1人車中泊の旅に出る模様を描いたのが「絶メシロード」です。

絶メシロードにハマる理由

【その1】主人公・民生への感情移入

絶メシを求めて一人地方に赴く車中、数あるメニューの中から注文する品を選ぶひととき、だれにも干渉されない時間を楽しみ、車中泊をした山中では朝の自然の光景に心を打たれるシーンには、まるで自分も旅に出ているような気持ちにさせられます。

一方で、お小遣いの範囲内で楽しむというルールを決めていたり、充電切れで携帯ヒーターが効かなくなり、寒さに震えながら眠りにつくシーンなど、羽を伸ばし切れない一面にも共感してしまいます。


【その2】 ただただ絶メシが美味そう

絶メシのお店は決して気を衒わない外観で、たまの外食時に夫婦や家族ではなかなか選ばないようなセンスなのですが、なぜか男心をくすぐります。民生が注文する一品がベストチョイスなのです。そこに余計な説明は不要なように思われます。

いざ実食のシーンでは、一口ごとの民生の心の描写、各皿を行き交わせる箸の動きを説明するロジックが、見た目以上の食べたさを助長していきます。

夜中のグルメ番組ってやばいですね。


【その3】 この店を無くしたくない気持ちになる 

舞台となるお店は実際に存在する店であり、エンディングでは店主の夫婦と、演じる役者が並んだ記念写真が映ります。ドラマで作られた世界は作り物のようであり、何万組ものお客と接する中での1シーンなのだろうと思えました。店主の健康面や、跡取りがいないという理由で、店が閉められてしまうことは、なんとも寂しい気持ちにさせられました。

絶メシを止めるな!

旅先では、観光客向けに作られた店やチェーン店よりも、地域の人たちのためにある個人経営(らしき)店に惹かれます。何年も使い続けられていそうな食器や、開業時からそこにあったに違いない置物がある店内には年季を感じますが、毎日きれいに手入れ(≠掃除)されたような雰囲気があり、そこを生業とする人たちには、言葉少なでも温もりを感じます。

観光地、イベント、特別な名産がなくても、絶メシはきっと地域の魅力になっています。今はコロナで逆境のお店も多いのかもしれませんが、地域と人をつなぐ接点として飲食店はなくてはならない存在です。チェーン店で染められたら、どこの街も同質化してしまいます。

地域の良さが受け継ぐ仕組みとして、絶メシが残り続けてほしいです。街で暮らす人々の安らぎになり、田舎で生まれた人々を郷愁に浸らせて、地域を超えて心を通わせる場所であり続けるはずです。

絶メシを止めるな!

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