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~というのは(~っていうのは)必要? 文章・会話力 パリオリンピック2024 体操女子団体決勝実況考察


~というのは(~っていうのは)必要? 文章・会話力



2002年5月31日から6月39日にかけて日本と韓国で開催された、2002FIFAワールドカップは、初の2カ国共同開催だった。通勤途中では、多くの外国人サポーターの姿を見かけ、街全体がサッカー一色に染まっていることを肌で感じることができた。フリーガン(熱狂的サポーター)のトラブルも間近で見かけたものだ。
 
2020年東京オリンピックは、新型コロナウイルス感染症の影響により2021年に延期されて開催された。コロナ下だったため、通勤途中の東京駅周辺でも海外からの観客の姿はほとんど見かけず、街全体がオリンピックムード一色になる経験はできなかった。観客の声は大会の盛り上げに大きく貢献する。
 
オリンピックは、他国で開催されることがほとんどだから、なぜか自国開催よりも一体感を感じやすいように思う。そして、現地に行って観戦したい気持ちも高まる。
 
スポーツの世界最大の祭典として、多くの感動をもたらすオリンピックだが、筆者はもう一つの視点が出てきてしまう。それは、実況における表現の重複や冗長さなど、改善の余地を感じてしまうことだ。実況は事前の準備が難しいため、アナウンサーの言葉選びの能力が試される。

「という」や「っていう」などの表現は、自然な言い回しではあるが、文章でも会話でも冗長になりがちで、繰り返すと長く感じられる。これらの言葉は可能な限り削除することで、より簡潔で洗練された表現になる。

新聞や雑誌などの紙媒体は限られたスペースで、放送は24時間と限られた時間を有効に使い、端的に伝えることが重要だ。しかし最近では、ウェブの出現により、いくらでもスペースがあるため、ダラダラとした表現が当たり前になっている。何度も同じことを繰り返して結局、その人の話が半分の時間で済むこともよくある。

そこで、2024年7月31日にNHKで放送された体操女子団体決勝の実況を例に、「~というのは」「~っていうのは」「~というと」「~っていうと」「~という~」などの表現が含まれるコメントに絞って、重複や蛇足、冗長的な表現を、解説の村上茉愛氏と実況のテレビ朝日アナウンサー清水俊輔氏のコメントを分析してみた。その中で、一部気になる他の表現にも若干言及している。

放送はNHK、実況はテレ朝アナウンザー 

出典:
パリオリンピック2024 体操女子団体決勝
放送 NHK 2024年7月31日(水)
   01:09~02:39(1゜20′)
解説 村上茉愛(まい)
実況 清水俊輔 テレビ朝日アナウンサー 

実況

清水俊輔アナ
フランスの演劇などで行われます、開始を開始の合図である杖を3回突くというこのブリガディア。
修正例
フランスの演劇などで行われます、開始を開始の合図である杖を3回突く、このブリガディア。
解説
のっけから変な言い回しですが、「という」がなくても伝わるため削除。

清水俊輔アナ
決勝ではそれぞれの種目を3人が演技して、その3人の得点が全て積み上がっていくというルールです。
修正例
決勝ではそれぞれの種目を3人が演技して、その3人の得点が全て積み上がっていくルールです。
解説
という」が蛇足。なくても伝わるため削除。

清水俊輔アナ
ニッポンは、このカナダとともに、平均台からスタートしていくというローテーションになっています。
修正例
ニッポンは、このカナダとともに、平均台からスタートしていくローテーションになっています。
解説
という」がなくても伝わるため削除。 

清水俊輔アナ
牛奥小羽がこのチームの中では最年長と、大学2年生ということになります。 
修正例
牛奥小羽がこのチームの中では最年長で、大学2年生です。
解説
という-ところ」「という-部分」「という-こと」に注意。
という-こと」は、「という」に付随してよく使われるため使い過ぎに注意。
ということになります」は「という」に加え「ことになります」が続き、典型的な冗長的な言い回し。「ということになります」を端的に「です」と修正することでより伝わりやすくなる。

清水俊輔アナ
この中国もオリンピックでは地元開催、北京では金メダルを取っています。2016年リオでは銅メダル、非常に段違い平行棒と平均台というところが強さを見せるというチームです。
修正例
この中国もオリンピックでは地元開催、北京では金メダルを取っています。2016年リオでは銅メダル、非常に段違い平行棒と平均台が強さを見せるチームです。
解説
という-ところ」「という-部分」「という-こと」に注意。
という-ところ」と「という-部分」は、「という」に付随して何度も使われる表現。「いう」を用いる際、しつこくならないように、使い過ぎに注意。
「平均台というところ」の「というところ」。「強さを見せるというチーム」の「という」は余分なので削除。

清水俊輔アナ
今日はアメリカが抜けたという予想があるんですが、それ以外に銀メダル、銅メダル争いというのが非常に混とんとしてきそうなそんな展開です。
修正例
今日はアメリカが抜けたという(との)予想があるんですが、それ以外に銀メダル、銅メダル争いが非常に混とんとしてきそうなそんな展開です。
解説

って-いう」「と-いう」って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
全体的に変な言い回しの日本語。
「抜けたという予想」の「という」を「との」にするのもいい。
「銅メダル争いというのが」の「というの」がなくても意味は通じるので削除し、「銅メダル争いが」に修正。 

清水俊輔アナ
とにかくフランスの国内でもアメリカへの声援、バイルズへの声援というのが、ひと際大きい、注目度がほんとうに大きい、そしてシモーネ・バイルズです。 
修正例
とにかくフランスの国内でもアメリカへの声援、バイルズへの声援が、ひと際大きい注目度がほんとうに大きい、そしてシモーネ・バイルズです。
解説

って-いう」「と-いう」って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
「声援というのが」の「というの」がなくても意味は通じるので削除し「声援が」に修正。 
シモーネ・バイルズ:Simone Arianne Biles、アメリカ

清水俊輔アナ
村上さん、バイルズという選手は、体操界ではどんな存在といえるんなんでしょうか?
修正例
村上さん、バイルズ選手は体操界ではどんな存在なんでしょうか?
解説
「バイルズという選手は」の「という」を削除し「バイルズ選手は」に。
「どんな存在といえるんなんでしょうか?」の「といえるん」を削除し、「どんな存在なんでしょうか?」に修正。

清水俊輔アナ
シモーネ・バイルズは、東京オリンピックのときには、団体決勝で最初の種目の跳馬を跳んだ後に、精神的に苦しい状況になってしまったということで、そこから演技を棄権してしまいました。
修正例
シモーネ・バイルズは、東京オリンピックのときには、団体決勝で最初の種目の跳馬を跳んだ後に、精神的に苦しい状況になり、そこから演技を棄権してしまいました。
解説
という-こと」「という-ことで」は、「という」を用いるとき頻「こと」「ことで」が頻繁に続く傾向がある。
「状況になってしまったということで」では、くどく長ったらしい。「なってしまったということで」は、2音・2文字の「なり」で伝えられる。このほうが端的で、分かりやいことは誰の目にも明らか。

村上茉愛
純粋に体操を楽しんでいるなっていうのは伝わってきますね。
修正例
純粋に体操を楽しんでいるのは伝わってきますね。
純粋に体操を楽しんでいると伝わってきますね。
解説
って-いう」「と-いう」って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
「いう」を多用すると、「っていう」「という」「っていうのは(が)」「と-いう-のは(が)」も多用しやすい。
「楽しんでいるなっていうのは」の「なっていう」を「楽しんでいるのは」、「楽しんでいると」に修正。

清水俊輔アナ
演技はまずニッポンは、平均台からということになります。
修正例
演技はまずニッポンは、平均台からです。
ニッポンの演技は、平均台からです。
解説
という-こと」は、「という」に付随して「こと」もよく用いられる。したがって「という」を使い過ぎると「ということ」も使い過ぎてしまう。
「平均台からということになります」にする必要性はなく、「ということになります」を「です」に変えれば端的で時間の節約にもなるし、解説ももっと多く聞けるはずだ。

清水俊輔アナ
村上さん、平均台スタートというところは、ニッポンにとってはいかがでしょうか。
修正例
村上さん、平均台スタートは、ニッポンにとってはいかがでしょうか。
解説
という-ところ」と「という-部分」は、「という」に付け足して使いがちとなる常套句。言い回しや文章で「という」に依存し過ぎると、必然的に「というところ」と「という部分」も多用してしまう。会話で迷走したときは、落ち着いて話すように心掛ける。安易な言葉遣いや癖が文章に現れ、会話でも回りくどい言い方をしてしまうことがあるので、気をつけよう。 
「平均台スタートというところ」の「というところ」は、なくても意味が通じるなので「平均台スタートは」に修正。


1節の実況で「という」を6回多用

清水俊輔アナ
3番目が中村遥香というオーダーになりました。岡村真 (まな)は、平均台は去年のアジア大会種目別の金メダリストですから このチームでは最も強いという岡村からスタートしていきます。幅10センチというこの平均台の上で、宙返りをしたりターンをしたりという常に落下のリスクが付きまとうという種目になっています。ただ予選を振り返ると村上さん、誰も大きなミスもなく、落下もなくという素晴らしい演技でしたよね。
修正例
3番目が中村遥香になりました。岡村真 (まな)は、平均台は去年のアジア大会種目別の金メダリストですから このチームでは最も強い岡村からスタートしていきます。幅10センチこの平均台の上で宙返りをしたりターンをしたり常に落下のリスクが付きまとう種目になっています。ただ予選を振り返ると村上さん、誰も大きなミスもなく落下もなく素晴らしい演技でしたよね。
解説
この実況で、何と6カ所も「という」を多用していて、不自然ささえ感じてしまう変な日本語の言い回しだ。悪い事例の最たるもの。全ての「という」がなくても自然な流れで意味が通じる。
・村遥香というオーダーになりました➡村遥香になりました
・最も強いという岡村から➡最も強い岡村から
・幅10センチというこの平均台の上で➡幅10センチの平均台の上で
・ターンをしたりという常に落下のリスクが付きまとうという種目になって  
 います➡ターンをしたり、常に落下のリスクが付きまとう種目になってい 
 ます
・落下もなくという素晴らしい演技➡落下もなく素晴らしい演技

「いう」を使い過ぎることの功罪

アニメなどのキャラクターを際立たせるにはいいかもしれないが、報道や実況において、必要のない言葉遣いを多用することで、情報量が増え過ぎ、聞き手に余計な負担をかけてしまうだけでなく、日本語として適切でない表現になってしまう場合があるので要注意だ。

村上茉愛
16演技全てにおいてミスがないというのは非常に素晴らしいですし、Eスコアの面で、すごく評価されているなというのは点数を見て思いましたし~。
修正例
16演技全てにおいてミスがないのは、非常に素晴らしいですし、Eスコアの面で、すごく評価されていると点数を見て思いましたし~。
解説
って-いう」「と-いう」、「って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
「という」がなくても意味が通じるので「という」を削除。

清水俊輔アナ
Eスコアというのは出来栄えのスコアです。アメリカはまず跳馬のスタート。ニッポンは、平均台のスタート。ともにまわるのはカナダチームということになります。
修正例
って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
Eスコアは出来栄えのスコアです。アメリカはまず跳馬のスタート。ニッポンは平均台のスタート。ともにまわるのはカナダチームです。
解説
「というの」
を削り、「カナダチームということになります。」を「カナダチームです。」に。しつこさが減り端的になる。

清水俊輔アナ
そしてこちらは床です。床はルーマニアとイギリスがスタートしていくというところです。
修正例
そしてこちらは床です。床はルーマニアとイギリスがスタートします。
そしてこちらは床です。床はルーマニアとイギリスがスタートしていきます。
解説
という-ところ」「という-部分」は、「という」とセットで用いられがちだ。そのため、「という」を使うと、必然的にこれらの表現も頻繁に使われる傾向にある。
例えば、「スタートしていくというところです」は、「スタートします」や「スタートしていく」に言い換えることができる。

清水俊輔アナ
~166点台。非常に拮抗しています。そこからおよそ4点下がるところに、ニッポンがいるという予選のスコアになりました。ですから、ニッポンがこのメダル争いにどこまで絡んでいけるかというところがポイントになってきました。
修正例
~166点台。非常に拮抗しています。そこからおよそ4点下がるところに、ニッポンがつけています。ですから、ニッポンがこのメダル争いにどこまで絡んでいけるかがポイントになってきました。
解説
という-ところ」「という-部分」に注意。
という」と「というところ」を取っただけ。

清水俊輔アナ
ただ昨日のやっぱ試合を見ていると、最後まで何があるかは分からないなっていうのはあらためて思いましたし、ミスなく演技するっていうのが条件だと思いますので、最後まで諦めないって言葉を胸に誓ってがんばってほしいなと思います。
修正例
ただ昨日のやっぱ試合を見ていると、最後まで何があるかは分からないとあらためて思いましたし、ミスなく演技するのが条件だと思いますので、最後まで諦めなと言葉を胸に誓ってがんばってほしいなと思います。
解説
って-いう」「と-いう」、って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
「分からないなっていうのは」➡「分からないと」
「演技するっていうのが」➡「演技するのが」
「諦めないって言葉を」➡「諦めないと」

清水俊輔アナ
ほんとに、体操競技というその競技の面白さと怖さが、ぎゅっと凝縮したような男子の団体の決勝でした。
修正例
ほんとに、体操競技その競技の面白さと怖さが、ぎゅっと凝縮したような男子の団体の決勝でした。
解説
いう」を削除。

清水俊輔アナ
2回半ひねるという技で降りてきます。
修正例
2回半ひねる技で降りてきます。
解説
という」を削除。

村上茉愛
いろんな技を行っていくんですけれども、少しでもその技というのが不完全になると、難度自体が取れないということもあります。
修正例
いろんな技を行っていくんですけれども、少しでもその技が不完全になると、難度自体が取れないこともあります。
解説
って-いう」「と-いう」、「って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
というの」「という」を取っただけ。

清水俊輔アナ
岡村は本来、5.9というDスコアがあるんですが、予選では、5.5になりました。最後は2回半ひねって降りてくるという大きな技です。やはりチームにとって、最初の種目の最初の演技者は、非常に重要です。ここでミスがでると、ずるずるいってしまうということも珍しくはありませんので、岡村が果たした役割は非常に大きい。
修正例
岡村は本来、5.9のDスコアがあるんですが、予選では、5.5になりました。最後は2回半ひねって降りてくる大きな技です。やはりチームにとって、最初の種目の最初の演技者は、非常に重要です。ここでミスがでると、ずるずるいってしまうことも珍しくはありませんので、岡村が果たした役割は非常に大きい。
解説
「岡村は本来5.9のDスコアがあるんですが」
または、
「岡村は本来Dスコア5.9ですが」
という」を取る。「という」の代わりにつながる1字追加。

清水俊輔アナ
少し得点に時間がかかっていますけれども、この辺りその技の難度の判定というところも、もしかしたらあるかもしれませんね。
修正例
技の難度の判定で判定に時間がかかっているのかもしれません。
解説
という-ところ」「という-部分」「という-こと」に注意。

清水俊輔アナ
跳馬からスタートしているのはアメリカとイタリアです。イタリアの一人目マニラ・エスポジトの跳馬です。ユルチェンコという跳び方の2回ひねりEスコア5.0。
修正なし。
解説
体操に詳しくない人のため「ユルチェンコ」が一般的でない場合を想定しているならいい。

清水俊輔アナ
このユルチェンコ2回ひねりというのが世界トップクラスで言いますと一つこう標準になってくるような技。
修正例
このユルチェンコ2回ひねりが世界トップクラスで言いますと一つこう標準になってくるような技。
解説
「って-いう」「と-いう」、「って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
「2回ひねりというのが」の「というの」を削除し「回ひねりが」に。

清水俊輔アナ
空中局面でも細かく減点されるというところですからね。
修正例
➡空中局面でも細かく減点されるところですからね。
または
➡空中局面でも細かく減点されますからね。
解説
「と-いう-ところ」「と-いう-部分」、「と-いう-こと」に注意。
「減点されるという」の「という」は明らかに不要。

村上茉愛
ほぼ真ん中に着地できていましたので、ラインオーバーだったり着地に減点っていうのはさほどないと思いますが、こういった少しの足割れ膝の曲がりというのが点数の分かれ目になってくると思います。
修正例
ほぼ真ん中に着地できていましたので、ラインオーバーだったり着地に減点はさほどないと思いますが、こういった少しの足割れ膝の曲がりが点数の分かれ目になってくると思います。
解説
「って-いう」「と-いう」、「って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
っていうの」「というの」を削除しただけ。

清水俊輔アナ
イタリアのトップバッターです。マニラ・エスポジト(Manila Esposito)17歳の選手。ことしのヨーロッパ選手権では個人総合で優勝しているという非常に力のある選手です。イタリアチームはこのエスポジトとそしてアリス・ダマート(Alice D'Amato)というダブルエースです。
修正例
イタリア最初の演技はマニラ・エスポジト(Manila Esposito)17歳の選手。ことしのヨーロッパ選手権では個人総合で優勝している非常に力のある選手です。イタリアチームはこのエスポジトとアリス・ダマート(Alice D'Amato)がダブルエースです。
解説
「アリス・ダマートというダブルエースです」➡「という」を「」また「が」に変え「アリス・ダマートダブルエースです」「アリス・ダマートダブルエースです」に。
補足
「イタリアのトップバッターです」
日本において野球は人気のスポーツの一つだが、世界的に見るとメジャーなスポーツではない。特に、オリンピックのような国際的な舞台では、実況において他の競技と比較するような表現、体操よりも野球を優位に見せるような表現は、中立性を欠く可能性があるため避けるべきだろう。

清水俊輔アナ
アメリカ、ジェイド・キャリー(Jade Carey)です。アメリカの跳馬二人目、このキャリーとういう選手は、東京オリンピックでは床で金メダル。床と跳馬を非常に得意としています。難度5.6という非常に難しい技ですね。
修正例
アメリカ、ジェイド・キャリー(Jade Carey)です。アメリカの跳馬二人目、このキャリー選手は、東京オリンピックでは床で金メダル。床と跳馬を非常に得意としています。難度5.6非常に難しい技ですね。
解説
このキャリーとういう選手は➡このキャリー選手は
難度5.6という非常に難しい技➡「という」を「」また「」に変えて、「難度5.6非常に難しい技」または「難度5.6非常に難しい技」に。

清水俊輔アナ
ニッポンは続いて平均台、岸里奈が演技をしていきます。岸がこの演技を待ってるという状態です。
修正例
ニッポンは続いて平均台、岸里奈が演技をしていきます。岸がこの演技を待っています。
解説
「演技を待ってるという状態です」の「るという状態です」は、不自然に回りくどく、「待っています」またに「待ってる状態です」に修正する。「という」は全く不要。

清水俊輔アナ
全員が10代、全員が初めてのオリンピックというニッポン代表の4人です。
修正例
全員が10代、全員が初めてのオリンピック。ニッポン代表の4人です。
解説
ここでも変な日本語。全員が初めてのオリンピック出場ニッポン代表の4人です。全員が初めてのオリンピック出場ニッポン代表の4人です。
でもいい。とにかくを不要な場面でも「という」使い過ぎる傾向なので、ここではあえて「という」を取った。

清水俊輔アナ
その中でも、こういった冷静な判断も重要になってくるのが平均台という種目です。
修正例
その中でもこういった冷静な判断も重要になってくるのが平均台です。
その中でもこういった冷静な判断も重要になるのが平均台です。
解説
とにかく不要な場面でも「という」を連呼し過ぎる傾向なので、ここでもあえて「という」を取った。

清水俊輔アナ
このニッポンチームは高校1年生、高校2年生、大学1年生、大学2年生という4人です。平均台の落下というのは決して珍しくないという中で、予選が4人が、そしてこの決勝でもここまで2人が落下なくきている素晴らしいスタートをきっています。
修正例
このニッポンチームは高校1年生、高校2年生、大学1年生、大学2年生4人です。平均台の落下は決して珍しくない中で、予選が4人が、そしてこの決勝でもここまで2人が落下なくきている素晴らしいスタートをきっています。
解説
この短い実況で、3回も「と-いう」を使用している。
「大学2年生という4人」いう」を「」に置き換え。
大学2年生4人です
平均台の落下というのは➡平均台の落下は
珍しくないという中で➡珍しくない中で

清水俊輔アナ
今のが輪跳びという技なんですが、ほんとに足がよく上がっています。
解説
体操に詳しくない人向けに対する説明なら「という」を使用していい。
 「という」を取るなら、「今の技が輪跳びなんですが」としてもいい。

清水俊輔アナ
村上さんから飛距離というお話がありましたね。
修正例
村上さんから飛距離お話がありましたね。
解説
本来なら、修正しなくてもいいが、実況全体で「と-いう」を随所に使用しているためあえて修正しておいた。

村上茉愛
足も一切割れず、膝もしっかり伸びてそしてさらにこれまで高さと飛距離を出せるっていうのは、減点するところがないんじゃないかなと思いますね。修正例
足も一切割れず、膝もしっかり伸びてそしてさらにこれまで高さと飛距離を出せるのは、減点するところがないんじゃないかなと思いますね。
解説
「って-いう」「と-いう」、「って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
「出せるっていうのは」の「っていう」を取る


1節で4回

清水俊輔アナ
これが難度5.6なんですが、このバイルズは、バイルズ2(ツー)とういう6.4という超大技も持っていますけれども、ここは団体決勝というところで6.4ではなく5.6、ただ5.6というのも異次元の難しさです。 
修正例
これが難度5.6なんですが、このバイルズは、バイルズ2(ツー)とういう6.4超大技も持っていますけれども、ここは団体決勝なので6.4ではなく5.6、ただ5.6も異次元の難しさです。
解説
1節で4回も「という」を連呼している典型的な重複、繰り返し、蛇足、冗長的な悪い表現。
体操に詳しくなく一般名詞ではないために使用する「バイルズ2(ツー)とういう」の「とういう」だけを生かして、あとは「」「なので」「」に変換し言葉の選択肢の幅を持たせる。

清水俊輔アナ
ひねりが増えるほど難度点が上がっていくというのがこの体操競技です。
修正例
ひねりが増えるほど難度点が上がっていくのがこの体操競技です。
解説
という」を取っただけ。なぜこうも使うかな。

清水俊輔アナ
予選では13.600というしっかりと高いスコアを出してきました。
修正例
予選では13.600しっかりと高いスコアを出してきました。

清水俊輔アナ
イタリア、アンドレオリの跳馬は、13.566というスコアになりました。
修正例
イタリア、アンドレオリの跳馬は、13.566になりました。
イタリア、アンドレオリの跳馬のスコアは、13.566になりました。
解説
アンドレオリ:アンジェラ・アンドレオリ、Angela Andreoli、イタリア

村上茉愛
ただ少し緊張があって着地を取りに行くのが早過ぎて足がずれてしまったのかなっていうのは。
修正例
ただ少し緊張があって着地を取りに行くのが早過ぎて足がずれてしまったのかな。
ただ少し緊張があって着地を取りに行くのが早過ぎて足がずれてしまったのかなとは。
解説
「って-いう」「と-いう」、「って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
「っていう」は「という」をさらに崩した口語。「とい」と同様、使われる頻度が非常に多いだけに、使い過ぎに注意したい。

清水俊輔アナ
中村の平均台12.800という得点です。
修正例
中村の平均台12.800得点です。
中村の平均台の得点は12.800です。

清水俊輔アナ
さあ、そして床です。ルーマニア、マネカ ボイネアの床の演技です。女子の床の場合はこうして音楽をかけながら、芸術性表現力というのも問われてきます。
 修正例
さあ、そして床です。ルーマニア、マネカ ボイネアの床の演技です。女子の床の場合はこうして音楽をかけながら、芸術性表現力も問われてきます。
解説
という」を取っただけ。
サブリナ・マネカ ボイネア:Sabrina Maneca-Voinea、ルーマニア

清水俊輔アナ
予選では13.800という得点。床では14点を出すと超ハイスコアといえますけれども、床の場合はどうしても減点も多くなりますので14点に迫るスコアはハイスコアです。
修正例
予選では13.800。床では14点を出すと超ハイスコアといえますけれども、床の場合はどうしても減点も多くなりますので14点に迫るスコアはハイスコアです。
解説
という得点」を取る。点数は得点、スコアであること以外にないため冗長するなら「得点」、「スコア」を使い過ぎない。

清水俊輔アナ
最初に行ったのは2回宙返りの2回ひねるというシリバスという技です。
修正例
最初に行ったのは2回宙返りの2回ひねるシリバスです。
最初に行ったのは2回宙返りの2回ひねるシリバスという技です。
最初に行った技は2回宙返りの2回ひねるシリバスです。
解説
非常に
短い1節で「という」を2度も繰り返している。日本語として適切でない表現になってしまう場合があるので要注意。

清水俊輔アナ
さあアンドラーデが14.533という段違い平行棒の得点になりました。
修正例
さあアンドラーデが14.533と出ました。
解説
修正案は超端的にしたが、「アンドラーデの段違い平行棒の得点が14.533になりました」くらいにしたい。 
レベッカ・アンドラーデ:Rebeca Andrade、ブラジル

清水俊輔アナ
13.800というスコアを予選で出しているというシリバスというH難度の技です。
修正例・解説
非常に短い1節で「という」を3度も連呼している。日本語として適切でない表現になってしまう場合があるので要注意。修正すらしたくないほどオリジナリティあふれる実況なのだろうか。

清水俊輔アナ
それぞれの国の選手たちがまず最初の種目というのを行ってきました。
修正例
それぞれの国の選手たちがまず最初の種目を行ってきました。

清水俊輔アナ
アメリカは跳馬でトータル44.1002。ニッポンは平均台で39.9666というスコアです。
修正例
アメリカは跳馬でトータル44.1002。ニッポンは平均台で39.9666です。
解説
というスコア」を取る。または「ニッポンは平均台のスコアが39.9666です」など。

清水俊輔アナ
一つの種目40点となりますと、トータル160点ということになります。
修正例
一つの種目40点となりますと、トータル160点になります。
解説
と-いう-ところ」「と-いう-部分」、「と-いう-こと」に注意。
ということ」を除く。「という」には「こと」も付随して頻繁に使用されるが、連動してなくても意味が通じることが多い。

清水俊輔アナ
中国の段違い平行棒、張怡涵です。この人も段違い平行棒、非常に得意という選手。難度の高い技をしかもつなげていきます。16歳です。
修正例
中国の段違い平行棒、張怡涵です。この人も段違い平行棒、非常に得意選手。難度の高い技をしかもつなげていきます。16歳です。
解説
「得意という選手」の「という」を「」に変換。

清水俊輔アナ
中国が最初の段違い平行棒と2種目目の平均台で、いかに得点を取れるかというのがメダル争い、大きくなってきます。中国チームが、この張怡涵が15.433というスコアになりました。
修正例
中国が最初の段違い平行棒と2種目目の平均台で、いかに得点を取れるかがメダル争い、大きくなってきます。中国チームが、この張怡涵が15.433になりました。
解説
くどいので「得点を取れるかというのが」の「というの」を除き詰める。
「15.433というスコアになりました」を「15.433になりました」に。

村上茉愛
ただ中国の選手は、片手軸の1回ひねりっていうのを非常に得意としていますので、そういったところは、Dスコアが非常に高い選手たちが多いですね。
修正例
ただ中国の選手は、片手軸の1回ひねりを非常に得意としていますので、そういったところは、Dスコアが非常に高い選手たちが多いですね。
解説
「って-いう」「と-いう」、「って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
「1回ひねりっていうのを非常に得意」の「っていうの」を取り詰め「1回ひねりを非常に得意」にする。

清水俊輔アナ
今の張怡涵もDスコアでいうと、6.4という非常に高いスコアを持っています。さあこれで第1種目が終わってアメリカがトップに立って、中国が2番目、3番目にイタリアという状況になっています。ニッポンは平均台スタートという中で、8チーム中まずはスタート8位ということになりました。
修正例
今の張怡涵もDスコアでいうと、6.4非常に高いスコアを持っています。さあこれで第1種目が終わってアメリカがトップに立って、中国が2番目、3番目にイタリアです。ニッポンは平均台をスタートしましたが、8チーム中8位です。
解説
という」と「という」に付随してよく使用される「状況」も相まって、短い1節に4回も「という」が使われ過ぎていて何を言っているのかが、大変分かりにくい実況だ。

清水俊輔アナ
床は先ほど平均台で落下のあった中村遥香からのスートになります。中村遥香、岡村真、3番目に岸里奈という3人です。
修正例
床は先ほど平均台で落下のあった中村遥香からのスートになります。中村遥香、岡村真、3番目に岸里奈です。
解説
「3番目に岸里奈という3人です」は、人の名前を順番に告げているのだから、特に3番目に岸里奈を強調する必然性もないうえに「という」を使い、岸里奈を強調していてくどい。

清水俊輔アナ
当然各国行っている種目が違いますので、単純な比較というのはできません。アメリカはやはりね、盤石のスタートとかなというそんな印象があります。
修正例
当然各国行っている種目が違いますので、単純な比較はできません。アメリカはやはりね、盤石のスタート、そんな印象があります。
 解説
「比較というのはできません」を「比較はできません」
「盤石のスタートとかなというそんな印象」を「盤石のスタート、そんな印象」または「盤石のスタートのような印象」

清水俊輔アナ
昨日の男子を見ていても男子のね、前半であの一つ落下があったそこからほんとに諦めずにいったということが最後つながってきました。
修正例
昨日の男子を見ていても男子のね、前半であの一、落下があったそこからほんとに諦めずにいったことが最後つながってきました。
解説
という」を取る。

村上茉愛
そうですね。非常に粘り強くっていうのは、あの女子の選手たちも、あの言葉にして大切にしてきているものですので、そういったとことは、強味は絶対にあると思いますので最後まで諦めずにがんばってほしいですね。
修正例
そうですね。非常に粘り強のは、あの女子の選手たちも、あの言葉にして大切にしてきているものですので、強味は絶対にあると思いますので最後まで諦めずにがんばってほしいですね。
解説
「って-いう」「と-いう」、「って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
っていう」は、「という」を崩した言い方で、自然な会話では頻繁に使用されるフレーズ。”繁中の頻繁”であるため使い過ぎには注意したい。

清水俊輔アナ
村上さんも直前のその合宿というところもね、近くでご覧になっていました。かなり選手たち着地への意識は高いと聞いていますけれども。
修正例
村上さんも直前のその合宿、近くでご覧になっていました。かなり選手たち着地への意識は高いと聞いていますけれども。
解説
と-いう-ところ」「と-いう-部分」、「と-いう-こと」に注意。
という」を使い過ぎると「という」に付随した「ところ」「部分」も必然的に、「というところ」「という部分」と多様してしまうので意識したほうがいい。

村上茉愛
そうですね。特に床の着地というのを非常にこだわって連取してきていますので、このポディウムの上ですと、少し跳ねてしまう部分はあるかもしれませんが、絶対に止めてほしいなと思います。
修正例
そうですね。特に床の着地非常にこだわって連取してきていますので、このポディウムの上ですと、少し跳ねてしまいそうなので、絶対に止めてほしいなと思います。
解説
「って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
というの」がなくても意味が通じるので削除。

村上茉愛
しゃがみ立ちの2回ターン。こういった技だけではなく、動きというのも減点の一つになってきますのでアピールが大切です。抱え込みの後方回宙返り。
修正例
しゃがみ立ちの2回ターン。こういった技だけではなく、動きも減点の一つになってきますのでアピールが大切です。抱え込みの後方回宙返り。
解説
「って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に加え「と-いう-のも」が新たに。「というの」がなくても意味が通じるので削除。

清水俊輔アナ
カナダ、このトランが18歳、カナダには絶対的なエリザベス・ブラックというエースの選手がいて、その選手が28歳のベテランですが、この5人のチームの中には18歳の選手が3人入っているという、ベテランから若手までというそんなチーム構成になっています。
修正例
カナダ、このトランが18歳、カナダには絶対的なエリザベス・ブラックというエースの選手がいて、その選手が28歳のベテランですが、この5人のチームの中には18歳の選手が3人入っていて、ベテランから若手までのチーム構成になっています。
解説
短い1節に「という」が3回。「エリザベス・ブラックというエース」以外は取る。または「絶対的エースのエリザベス・ブラック」として以後の、「という」を多用するリスクを軽減しておくといい。
参考
オレリ・トラン:Aurelie Tran)、エリザベス・ブラック(Elsabeth Black)。ともにカナダ。

清水俊輔アナ
このトランの床の印象はあらためていかがでしたか。
村上茉愛
そうですね。あの大きなビッグタンブリングというものはなかったんですが、あのこういった曲に合わせての動きだったり、顔の表情っていうのは非常にすばらしかったと思いますし、大きな着地の跳ねなどもなかったのであのしっかりと点数にはつながってくると思います。
修正例
そうですね。あの大きなビッグタンブリングはなかったんですが、あのこういった曲に合わせての動きだったり、顔の表情は非常にすばらしかったと思いますし、大きな着地の跳ねなどもなかったのであのしっかりと点数にはつながってくると思います。
解説
「ビッグタンブリングというものは」➡「ビッグタンブリングは」
「表情っていうのは」➡「表情は」
曖昧にしないで、自信を持って話すことで切れのある解説になる。

清水俊輔アナ
中村遥香は、予選では13.266という床のスコアになりました。
修正例
中村遥香は、予選では13.266になりました。
中村遥香の床は、予選では13.266になりました。

清水俊輔アナ
予選では、ですから、3人で40.066。1人平均あたり、13.33から4をしっかり取ってきたというのがニッポンです。
修正例
予選では、ですから、3人で40.066。1人平均あたり、13.33から4をしっかり取ってきたのがニッポンです。
解説
という」を取るだけ。 

村上茉愛
4本全ての技できちんと着地を狙いにいっているっていうのが伝わりましたね。
修正例
4本全ての技できちんと着地を狙いにいっているのが伝わりましたね。
解説
「って-いう」「と-いう」、「って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
っていう」を取るだけ。

清水俊輔アナ
えー、やはりこだわってやってきたっていうのが床の着地です。
修正例
えー、やはりこだわってやってきたのが床の着地です。
解説
「って-いう」「と-いう」、「って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。
っていう」取るだけ。

 清水俊輔アナ
インスコアが期待できるかなというとね、そんな出来栄えになりました。
修正例
インスコアが期待できる。そんな出来栄えになりました。

清水俊輔アナ
さあー、まずしっかり13点に乗せてくることができるかというのが一つ得点の目安になってきます。
修正例
さあー、まずしっかり13点に乗せてくることができるかが一つ得点の目安になってきます。
解説
というの」を取るだけですっきり。

清水俊輔アナ
ニッポンはこの床3人でしっかり40点に乗せるということがまず大きな目標です。さあ、そして中国。中国の平均台です。周雅琴。平均台で全体トップという選手。
修正例
ニッポンはこの床3人でしっかり40点に乗せることがまず大きな目標です。さあ、そして中国。中国の平均台です。周雅琴。平均台で全体トップの選手。
解説
「乗せるということ」の「という」を取り、「乗せること」に修正。
「平均台で全体トップという選手」の「という」を取り「」に変え「平均台で全体トップ選手」にする。

清水俊輔アナ
四つ連続というところが二つに止まってその後も単独になりました。
修正例
四つ連続が二つに止まってその後も単独になりました。
解説
と-いう-ところ」「と-いう-部分」、「と-いう-こと」に注意。
という」を使う際、「ところ」と「部分」も多用し、「というところ」「という部分」としがちになるので「というところ」を取った。 

清水俊輔アナ
さあー、中国メダルに向けてはここは大きな得点減というところではあるんですけれどもねー。
修正例・解説
「中国がメダルを取るためには、この場面でのこの得点は、大きな得点減だね」のような説明していると思われるが、意味不明で何を言っているのか不明な言い回しなので修正例はスルーする。
と-いう-ところ」「と-いう-部分」、「と-いう-こと」に注意。

清水俊輔アナ
まあ、ただほんとにどのチームもミスというのは出る、そこからどう引きずらずにいくかというところが団体戦のポイントになってきます。
修正例
まあ、ただほんとにどのチームもミスは出る、そこからどう引きずらずにいくかが団体戦のポイントになってきます。
解説
というの」「というところ」を取る。
と-いう-ところ」「と-いう-部分」、「と-いう-こと」に注意。

村上茉愛
リズム感も非常に良かったですし、下は上に移動してその後トカチェフにつなげるというシリーズもしっかりできていましたので高得点が期待できると思います。
修正例
リズム感も非常に良かったですし、下は上に移動してその後トカチェフにつなげるシリーズもしっかりできていましたので高得点が期待できると思います。
解説
「という」を取る。
本来なら取る必要もないが、あまりにも「という」を用い過ぎるので、以後の多用リスクを抑えるため、あえて修正した。

清水俊輔アナ
今のはマロニハーフといういろんな選手がやる技ですけれどもマロニーという技を半分ひねっているので、ハーフという言い方をします。
修正例
いろん今の技はマロニーという技を半分ひねっているので、マロニーハーフという言い方をします。
解説
ここでも非常に短い1節で、「という」を3回も多用している。マロニーとマロニーハーフは、体操界で用いられる技の名称であることから、一般的ではないため「という」を2か所残した。 

清水俊輔アナ
音楽に合わせた表現力というところも存分に発揮してくれました。
修正例
音楽に合わせた表現力も存分に発揮してくれました。
解説
という-ところ」という-部分」:「という」に付随して「ところ」「ところ」が安易かつ頻繁に使用されれることから気を付けたいフレーズ。ここでは、「というところ」がなくても問題なく意味が通じるので削除。
「と-いう-ところ」「と-いう-部分」、「と-いう-こと」に注意。

清水俊輔アナ
今年大学生になったという岡村真です。
修正例
今年大学生になった岡村真です。
解説
例え伝聞だとしても「という」を用いるほどの特筆性はなく、「という」がなくても問題なく意味が通じるので削除。

1節で5回も

清水俊輔アナ
さあ岡村が12.993です。Dスコアが5.0というところ、13点目前というところには迫ってきました。さあ後はニッポンは床、得意な岸里奈が待ってるという状態です。ニッポンがいまこの床の二人で16.166、失礼26.166という得点ですから、まあ何とか岸が13点台の後半を狙っていきたいというところです。
修正例
さあ岡村が12.993です。Dスコアが5.0のところ、13点目前に迫ってきました。さあ後はニッポンは床、得意な岸里奈が待ってる状態です。ニッポンがいまこの床の二人で16.166、失礼26.166ですから、まあ何とか岸が13点台の後半を狙っていきたいところです。
解説
この短いフレーズで「という」を5回も繰り返し使用しており非常にくどく、ここまでくると不自然な言葉遣い。

13点目前というところには迫ってきました。
➡13点目前には迫ってきました。
得意な岸里奈が待ってるという状態です。
➡得意な岸里奈が待ってる状態です
26.166という得点ですから
➡26.166ですから
岸が13点台の後半を狙っていきたいというところです。
➡岸が13点台の後半を狙っていきたいところです。 

清水俊輔アナ
予選では、3人合計43点台までいっていたというイタリアです。
修正例
予選では、3人合計43点台までいっていたイタリアです。
解説
ここでも不自然に「という」が用いられている。

清水俊輔アナ
女子は全部で4種目です。2種目終わるとあっという間に半分経過ということになります。岸がスタンバイしていますが、岸は予選で床、全選手の中で8位ということで種目別の決勝にも進出しました。
修正例
女子は全部で4種目です。2種目終わるとあっという間に半分経過になります。岸がスタンバイしていますが、岸は予選で床、全選手の中で8位ということで種目別の決勝にも進出しました。
解説
という-こと」は、「という」に付随してよく使用されるが、安易に「という」に依存すると「ということ」を繰り返す結果になるので注意しよう。 

清水俊輔アナ
シリバスというのは、2回宙返り2回ひねり、村上さんも得意としていた技です。そこが決まってくると乗ってくるという岸です。
修正例
シリバスは、2回宙返り2回ひねり、村上さんも得意としていた技です。そこが決まってくると乗ってくる岸です。
解説
この段階で、シリバスに「という」を付ける必然性がない。途中から視聴した視聴者に対しての説明ならいい。
乗ってくるという岸です。➡乗ってくる岸です。 

清水俊輔アナ
戸田市スポーツセンター、16歳という岸里奈。高校2年生です。9月23日に17歳の誕生日を迎えます。この4人での戦いになってほんとうに岸がエースという存在になったといっていいでしょう。
修正例
戸田市スポーツセンター、16歳の岸里奈。高校2年生です。9月23日に17歳の誕生日を迎えます。この4人での戦いになってほんとうに岸がエースになったといっていいでしょう。
解説
16歳という岸里奈➡16歳の岸里奈
岸がエースという存在になった➡岸がエースになった

清水俊輔アナ
岸里奈という選手の魅力はどんなところにあるんですか?
修正例
岸里奈選手の魅力はどんなところにあるんですか?
解説
岸里奈という選手の魅力➡岸里奈選手の魅力
これまでの流れから、岸里奈選手をここで強調する必要がなく、「という」は不要。

村上茉愛
岸選手はビッグタンブリングもたくさん持っているのですが、あのー、曲に対して「音はめ」というものもありますので、そういったところがばっちりはまってくるとこうをやって会場も盛り上がって拍手してくれたのではないかなと思いますね。
修正なし。
解説

この場面で、「という」を修正すると、他のフレーズまで修正することになるため、解説者の個性を尊重し修正なし。

清水俊輔アナ
個人総合で言いますとねぇ、バイルスとリー、この金銀独占なるかというところもアメリカは一つポイントの注目になっています。
修正例
個人総合で言いますとねぇ、バイルスとリー、この金銀独占となるか、もアメリカは一つポイントの注目になっています。
解説
というところ」を取る。

清水俊輔アナ
リーは14.566という非常にハイスコアです。
修正例
リーは14.566非常にハイスコアです。
解説
いう」を取る。

清水俊輔アナ
2回ひねってくるのがバイルズです。場内も沸いたというバイルズの着地です。
修正例
2回ひねってくるのがバイルズです。場内も沸いたバイルズの着地です。
解説
すでに会場は沸いているのに、明らかに「という」は不要。もはや意味不明の実況だ。

清水俊輔アナ
さあそして中国もポイントになっている平均台です。邱祺縁という選手の平均台、17歳。中国はこの平均台、周雅琴の落下がありましたけれども邱祺縁が二人目で演技をしたという平均台です。
修正例
さあそして中国もポイントになっている平均台です。邱祺縁選手の平均台、17歳。中国はこの平均台、周雅琴の落下がありましたけれども邱祺縁が二人目で演技をした平均台です。
解説
実況で「邱祺縁が二人目で演技をしたという平均台」と、ここで「という」を用いるのは理解に苦しむ。 

村上茉愛
この後にバック転から宙返りに変えてきましたね。本来であればダイビング前宙という半分ひねりをやるのですがしっかりまとめてきました。
修正なし。
解説
「ダイビング前宙」は、体操界専門用語で、この場面で初めて解説されたため修正なし。 

清水俊輔アナ
邱祺縁は17歳です。段違い平行棒非常に得意。この平均台も得意です。ここも三つつなげるという構成を持っていますけれども。
修正例
邱祺縁は17歳です。段違い平行棒非常に得意。この平均台も得意です。ここも三つつなげる構成を持っていますけれども。
解説
という」を取る。

清水俊輔アナ
いかに前の人のミス、仲間のミスをカバーしていくのかというのは、もうほんとに、この団体戦の魅力でもあります。
修正例
いかに前の人のミス、仲間のミスをカバーしていくかは、もうほんとに、この団体戦の魅力でもあります。
解説
カバーしていくのかというのは➡カバーしていくかは

清水俊輔アナ
さあ2種目終わってアメリカ(1位)、イタリア(2位)、中国が3位です。ニッポンは現在8位というところに順位になっています。
修正例
さあ2種目終わってアメリカ(1位)、イタリア(2位)、中国が3位です。ニッポンは現在8位です。
解説
と-いう-ところ」「と-いう-部分」、「と-いう-こと」、「と-いう-状況」に注意。
「8位というところに順位になっています」➡「8位です」 
会話において「という」を安易に用いてしまう癖があり、実況の場面では、表現に迷い、支離滅裂な印象を与えてしまうのではないかと懸念する。

清水俊輔アナ
一方、メダル圏内というところまでは、3.901という差になっています。
修正例
一方、メダル圏内までは、3.901の差になっています。
解説
と-いう-ところ」「と-いう-部分」、「と-いう-こと」に注意。
というところ」は、「という」に付随し「ところ」「部分」を使用しがち。
3.901という差➡3.901の差 

清水俊輔アナ
中国の床、周雅琴、先ほど平均台で落下のミスがあったという18歳の選手。まずいきなり4回ターンというのを持っているんですが。
修正例
中国の床、周雅琴、先ほど平均台で落下のミスがあった18歳の選手。まずいきなり4回ターンを持っているんですが。
解説
単純に「という」「というの」を取る。

清水俊輔アナ
女子でこの3回ひねりというのは大技です。
修正例
女子でこの3回ひねりは大技です。
解説
という」のを取る。 

清水俊輔アナ
最後はジャンプで締めくくりました。中国周雅琴です。2種目終わって3位の中国。4位につけているイギリスとは1.535という僅差になっています。
修正例
最後はジャンプで締めくくりました。中国周雅琴です。2種目終わって3位の中国。4位につけているイギリスとは1.535僅差になっています。
解説
「1.535という僅差」の「という」を「」修正。 

清水俊輔アナ
中国はここからの床と跳馬、どこまでこらえていけるかなというところですね。
修正例
中国はここからの床と跳馬、どこまでこらえていけるでしょうね。
解説
「という」を用いる癖があるため、「という」を前提にした会話・実況になり、それが原因で長く不明瞭な表現につながっている。 

清水俊輔アナ
予選で周雅琴は、13.466というスコアを出しています。
修正例
予選で周雅琴は、13.466スコアを出しています。
予選で周雅琴は、13.466を出しています。
解説
「という」を用いる癖があるため、「という」を前提にした会話・実況になり、それが原因で不必要な長い表現になっている。 

清水俊輔アナ
この後も非常に難しい技というのが続きます。
修正例
この後も非常に難しい技が続きます。
解説
周りくどく「技というのが」とするより「技が」にすることで端的に意味が通じる。 

清水俊輔アナ
もともとほんとに、この跳馬1本という予定が4人での戦いになって、予選は全種目を演技しました。この1本に賭けた、このユルチェンコ2回ひねりDスコア5.0という難しい技。村上さんにとっては、日本体育大学の後輩にも当たります。指導もされていました。ほんとにバネガあるというその牛奥の演技です。
修正例
もともとほんとに、この跳馬1本予定が4人での戦いになって、予選は全種目を演技しました。この1本に賭けた、このユルチェンコ2回ひねりDスコア5.0難しい技。村上さんにとっては、日本体育大学の後輩にも当たります。指導もされていました。ほんとにバネガある牛奥の演技です。
解説
この跳馬1本という予定➡跳馬1本予定
Dスコア5.0という難しい技➡Dスコア5.0難しい技
バネガあるというその牛奥の演技➡バネガある牛奥の演技

清水俊輔アナ
さあスコアとしてはやはり14点に乗ってくるかどうかというところですが、13.833です。予選とほぼ同じ得点ということになりました。
修正例
さあスコアとしてはやはり14点に乗ってくるかどうかですが、13.833です。予選とほぼ同じ得点になりました。
解説
と-いう-ところ」「と-いう-部分」「と-いう-こと」に注意。
「という」に依存すると「というところ」「という部分」「ということ」も、冗長的副産物として使用しがちになる。ここでも、「というところ」「ということ」をそのまま取っても問題なく意味が通じる。
 

清水俊輔アナ
とにかくこの優勝は、アメリカというところ、濃厚という状況ではありますけれども、メダルを争うイタリア、中国、イギリス。さあそしてアメリカは平均台です。
修正例
とにかくこの優勝は、アメリカ濃厚ではありますけれども、メダルを争うイタリア、中国、イギリス。さあそしてアメリカは平均台です。
解説
と-いう-ところ」「と-いう-部分」「と-いう-こと」に注意。
アメリカというところ➡アメリカ
濃厚という状況➡濃厚 

清水俊輔アナ
やはりバイルズだけではないというところを、このほかのアメリカのメンバーが見せてくれています。金メダル奪還へ向けたこの戦いです。ほんとにふら付きが全く見られなかったという感じのリーの演技でした。
修正例
やはりバイルズだけでな、このほかのアメリカのメンバーが見せてくれています。金メダル奪還へ向けたこの戦いです。ほんとにふら付きが全く見られなかったリーの演技でした。
解説
バイルズだけではないというところを➡バイルズだけでな
見られなかったという感じのリーの演技➡見られなかったリーの演技 

清水俊輔アナ
さらに近づいたというようなスニー・サリーの平均台の演技です。10センチという幅です。はがき1枚分、ちょっとでもずれると即落下というリスクがあります。
修正例
さらに近づいたというようなスニー・サリーの平均台の演技です。10センチ幅です。はがき1枚分、ちょっとでもずれると即落下リスクがあります。
解説
10センチという幅です➡10センチ幅です
ずれると即落下というリスク➡ずれると即落下リスク

清水俊輔アナ
チームメイトもいま大喜びというそんな姿です。ルーマニアが1種目目、床からスタートして6位、2種目目跳馬で5位これが3種目目です。あとは段違い平行棒と平均台ということになります。
修正例
チームメイトもいま大喜び、そんな姿です。ルーマニアが1種目目、床からスタートして6位、2種目目跳馬で5位これが3種目目です。あとは段違い平行棒と平均台になります。
解説
と-いう-ところ」「と-いう-部分」、「と-いう-こと」に注意。
「という」に付随してよく使われる「こと」。「という」を頻繁に使用すると「ということ」も頻繁に発してしまいがち。使い過ぎに注意し、表現の幅を広げると聞き手にも伝わりやすくなる。

村上茉愛
段違い平行棒はダンス系というものはないですので、一つ一つの技の倒立角度、ひねり終わりの角度だったり、離れ技の高さというのが非常に大切になってきます。
修正例
段違い平行棒はダンス系はないですので、一つ一つの技の倒立角度、ひねり終わりの角度だったり、離れ技の高さが非常に大切になってきます。
解説
という-もの」、「という-ところ」、「という-部分」に注意。
ダンス系というものは➡ダンス系は
高さというのが➡高さが

村上茉愛
大きな技ももちろんそうですが、全体がしっかりと演技をつないできているなっていうのが印象としてありますね。
修正例
大きな技ももちろんそうですが、全体がしっかりと演技をつないできている印象です。
解説
「って-いう」「と-いう」、「って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。 

清水俊輔アナ
ギゴアルタの得点13.333です。予選よりも上げてきました。そしてスニー・サリーの得点14.600。スニー・サリー14.600。予選より0.6ポイント上げてきているという非常に高い得点です。
修正例
ギゴアルタの得点13.333です。予選よりも上げてきました。そしてスニー・サリーの得点14.600。スニー・サリー14.600。予選より0.6ポイント上げて非常に高い得点です。
解説
上げてきているという非常に高い得点➡上げて非常に高い得点
アマリア・ギゴアルタ:Amalia Ghigoarta、ルーマニア
スニー・サリー:Sunisa.Lee、アメリカ

清水俊輔アナ
われわれの放送席目の前、イギリスBBCの放送席も全員立ち上がりました。やっぱりダウニーのこの段違い平行棒というのは魅力があります。
修正例
われわれの放送席目の前、イギリスBBCの放送席も全員立ち上がりました。やっぱりダウニーのこの段違い平行棒は魅力があります。
解説
平行棒というのは➡平行棒は
レベッカ・ダウニー:Rebecca Downie、イギリス 
「って-いう」「と-いう」、「って-いう-のは(が)」「と-いう-のは(が)」に注意。

清水俊輔アナ
やあー、ほんとにバイルズを待っていたという世界中のファンがこのパリ、ベルシー・アリーナに詰めかけています。
修正例
やあー、ほんとにバイルズを待っていた世界中のファンがこのパリ、ベルシー・アリーナに詰めかけています。
解説
バイルズを待っていたという世界中のファン➡
バイルズを待っていた世界中のファン


まとめ

「いう」から派生し、セットで頻繁に用いられる「と-いう」の10段活用
①「~と-いう~」(~って-いう~)
②「~と-いうと」(~って-いうと~)

③「~と-いう-の-は」(~って-いう-の-は)
④「~と-いう-の-が」(~って-いう-の-が)
⑤「~と-いう-の-も)」(~って-いう-の-も)

➅「~と-いう-ところ」(~って-いう-ところ)
⑦「~と-いう-部分」(~って-いう-部分)

⑧「~と-いう-こと」(~って-いう-こと)
⑨「~と-いう-もの」(~って-いう-もの)

⑩「~と-いう-状況」(~って-いう-状況)

「ところ、部分、もの、状況、の、は、が」などとセットで用いられがちだ。そのため、「~という~」を使うと、必然的にこれらの表現も頻繁に使われる傾向にある。

ボキャブラリーを豊富に
アナウンサーは、番組の種類や目的によって異なるが、基本的には正しい日本語を話して、視聴者に情報を正しく分かりやすく伝えること。言葉のプロとして技能も必要だ。

同じ言葉を何度も繰り返す表現は、会話や文章を単調にし、聞き手や読者を飽きさせ、表現に広がりや深みが失われてしまう。また、不必要な言葉遣いを多く使うと、情報量が増え過ぎて、相手に余計な負担をかけ、不自然な表現になることがある。

表現に変化や深みを持たせるためには、言葉の重複や冗長な表現を避け、様々な言葉遣いや表現を使って、状況や物事を多角的に説明したり、言い換えたりすることが重要だ。

そのためには、相手や状況に合わせて適切な言葉を選べるよう、語彙力を豊かにすることが求められる。

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