『京言葉?~報われなくても~』(掛け合い台詞)
「失礼致します、君菊にございます。」
「おぉ、よう来たなぁ、君菊。はよ、お入り。」
「へぇ。そいでは、失礼致します。」
(ゆるりとした動作で中へ入り、襖をしめる。」
「雪ノ屋の大旦那はん、本日は、逢い状をおおきにどした。お呼び頂けて嬉しおす。」
「君菊は売れっ子になってしもうたからな。なかなか呼べへんかった。」
「まぁ、大旦那はん、そないなことあらしまへんぇ。うちはずーっと大旦那はんからの逢い状待ってましたんどすぇ。いけずなお人やわぁ。」
「いけずしたわけやないで。ほんに、君菊が売れっ子になってしもたから、年寄りは遠慮しただけや。」
「大旦那はん…。うちは…」
「その先は言うたらあかん。君菊。わしはな、お前が売れっ子になった事が嬉しいんや。お前が華やかになっていくのが嬉しいんやよ。」
「大旦那はん…。…フウ…大旦那はんのお気持ち、この君菊、しかと受け取りましたぇ。うちは、大旦那はんの喜ぶ顔を見たいのんどす。そやから、大旦那はん、また、うちの顔みるために逢い状送っておくれやす。」
「ああ。また、呼ぶよってにな。華やかに艶やかになっていくお前を見せてもらうよ。」
「へぇ。もっと、もっと、華やかに艶やかに日ノ本一の芸妓になってみせますぇ。」
「君菊、お前の舞を見せてもらおか。」
(音楽がなりだし、君菊が舞う)
゛大旦那はん、うちは…ずーっと、大旦那はんの事を思とります。報われなくてもいいのんどす。せやから、うちの事をずーっと見ていておくれやす……。゛
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りくちの妄想は、どこかおかしい………。
よろしければ、つこうておくれやす。
お待ちしとりますぇ。