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がん宣告を受けて。入院1週間目

正式に癌だと診断されてからは早かった。
5/15(月)にそうだと判明して、入院したのは5/17(水)の午前中。中1日で荷物と気持ちの整理をしなきゃいけないのは、果たして普通なのだろうか。


自分の場合胸水という水が胸に大量に溜まっていて、
常に心臓と肺に負荷をかけている状態だったからそれも早さの所以なのかもしれない。


何はともあれ5/17(水)から抗がん剤治療がスタートした。使う薬剤も念のため書いておく。
5/17〜5/21:デキサート、オンコビン、ドキソルビシン、ウロミテキサン、エンドキサン
5/22〜5/27:投薬無し(ここが1番辛かった)
5/28〜5/31:デキサート、オンコビン
この1回転を1クールとして定めている。
※正確には奇数クールと偶数クールで使う薬が異なるので、2クール目は全く別の治療となるのだが。


それぞれ副作用は違うけど、決まった日・決まった時間に決まった薬を投与するというものだった。
勿論その副作用が出過ぎないように、吐き気止め等を同時に複数処方してもらっている。
そのおかげもあってか、治療が開始してから数日は大したしんどさもなく、割と飄々と過ごしていた。
当然体力が有り余っていた訳ではなかったしいつも通り元気!という感じではなかったが、自分が思ったよりも元気でいられたというのが素直な感想だ。
こんなペースなら、余裕で癌治療なんて乗り越えられると思った。むしろ想像していたより全然辛くない。


でも、数日後、そんな甘い訳ないだろと地獄に落とされて気が付いた。
薬物中毒になったことはないけれど、薬が切れて発狂する人はこんな気分なんじゃないかと、その一端を垣間見た気がする。
吐き気を催し、空腹なのにご飯の匂いを嗅ぐと戻したい気持ちになった。なんとかしたい、でも身体は点滴に繋がれて自由に身動きも取れない、声も出せない、目の前の景色は変わらない、そんな状況に本気で心がおかしくなってしまいそうだった。おかしくなって楽になるなら、おかしくなっても良いと思った。

自分は、メンタルが強い方だと思っている。
色んなことが起きてもポジティブに変換して前向きな言動をすることができたし、事実、この病気が発覚してからもそうだった。


でも、そもそも辛いということしか思考できないぐらいおかしくなった状況の中では、ポジティブなんて無意味だと知った。というか、ポジティブという概念が存在しない。今回闘病する上で心の助けになるだろうと思って読んだ『君か、君以外か。(ローランド著)』は、残念ながら何の役にも立たなかった。Kindle Unlimitedのおかげで無料だったことがせめてもの救いである。


ただ、ローランドの作品が悪かったということでもない。
そもそもポジティブ思考を遂行できる身体とその頭が無ければそれに至ることもできない訳であって、さも当然の話だった。結局、心と身体が健康じゃなきゃ意味ないよね〜ということだ。


何はともあれ、紆余曲折あったが入院から1週間経って今ここにいる。今は副作用の峠を越えて落ち着けたし、病院食も麺食・パン食に変えてもらってモリモリ食べれている。ご飯の匂いで吐き気を催すこともない。
数日食べていなかった反動で急に食べるから胃がびっくりしているのが分かるけど、自分の健康が食と繋がっていることを実感している。


辛い状態を経験したからこそ、今普通に生活が出来ることを前より少しだけ噛み締めて2週目も頑張っていきたい。まずは1クールを無事終えるところから。
頑張ろう。

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