見出し画像

読んでみた!ナルニア国物語2 カスピアン王子と魔法の角笛

毎月の楽しみにしている新訳・ナルニア国物語。そのシリーズ第2巻を読みました!
瑞々しい新訳と大好きなまめふくさんの装画・挿絵で生まれ変わったナルニア国物語。

それでは、感想を綴っていきます!



2つの旅に託されたナルニア国の運命
4兄弟とカスピアン王子の冒険!

まず、物語はピーターたちが不思議な力で再びナルニアに呼び戻されるところから始まります。ナルニアの地に再び降り立ったピーター王たちは見知らぬ土地で過ごすことになります。そこであるドワーフに出会うことでカスピアン王子の存在を知り、王子に会うために旅立ちます。

そして、カスピアン王子もまた旅に出ます。
精霊や話す動物たちがいた古きナルニア国に憧れを持っているカスピアン。しかし叔父である現ナルニア国王のミラーズは、そんな古きナルニアを気に入らず、なかったこととして扱います。そんな中、継承権争いで叔父であるミラーズに命を狙われることになるカスピアンは、コーネリアス博士の助けも借りて城から抜け出し、旅に出ます。

この2つの旅が交錯するとき、ナルニア国の運命が大きく動き出します。
果たしてピーターたちは無事にカスピアンに出会えるのか。国王に命を狙われるカスピアンはこの危機をどう乗り越えるのか。

どちらの冒険も山あり谷あり仲間あり。
ドキドキワクワクの連続展開です。

伸びやかな新訳
これぞファンタジー小説!

第2巻では、翻訳者の小澤身和子さんの翻訳力を感じました!
あらためて読んでみると、C・S・ルイスはかなり幻想的な文章なのでしょうか。木の精霊の描写など、言葉でしか表現しえないような描写が満載でした。
かなり複雑な描写で描かれる木の精霊たちですが、なぜかすっと頭の中にイメージができました。
イメージはできるのに、ちゃんと考えながら読み直すとよく分からなくなる。これぞファンタジー。言葉の魔力!!

原書の面白さもさることながら、それを翻訳するときの日本語の流れや言葉選びが成せる技ですかね。とにかく想像力が膨らみます。

さらに、古典文学にありがちな登場人物の掛け合いの不自然さもなく、ピーターたちもぐっと身近に感じました。個人的にはエドマンドがルーシーを信じるシーンが好きです。

これを機に翻訳の読み比べもしてみたいなと思いました。

装画・挿絵の美しさ
羽ばたけ!想像力!!

新訳の瑞々しさにとてもマッチしているまめふくさんの装画。もう表紙からわくわくが止まりませんね。
動物もかわいいし、想像を働かせる余地を持たせながら、具体的に描かれている登場人物たち。このイメージでナルニアを読める幸せ!

装画だけでなく、随所に散りばめられる挿絵も美しい。
特に序盤の宝物庫でピーターが剣を手にしているシーンは全体的を覆っている闇が、神聖感を際立たせています…!

欲を言えば、1ページ丸々挿絵という贅沢な仕様でまめふくさんの挿絵を味わいたいものです!

おわりに

ナルニア国シリーズ第2巻。期待を裏切らない王道ファンタジーで、とても楽しめました!

1つ思ったことは、原作自体が古いので、現代の感覚で読むと部分的に納得できない部分出てくるかなと。物語に流れる死生観や、最後のテルマール人の街で起こることなど、かなり細かいところですが、僕はちょっとだけ疑問に感じることはありました。

まあ、それも時代を超えた作品を読む楽しさでもあります。

ナルニア国物語シリーズは毎月発行で全7巻!
まだまだ物語は続きます。

それではみなさん、良い読書を!

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集