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B棟へ引っ越し、ヘトヘト
(2021年4月〜5月頃)
賃貸契約もうまく行き、引越しが決まった。
引っ越しは大変だった。
戦中生まれの両親が溜め込んだ荷物の量は、想像を超えていた。
「親の断捨離に悩む娘」という構図が、頻繁に雑誌やテレビで取り上げられているのも頷ける。
うちも人ごとではなかった。
引っ越しが決まってから引っ越す日までの約2ヶ月で、捨てるもの、持っていくものの選別を、母の了解をとりながらやっていく。
そして、もちろん進まない。
「お母さん、この食器どうする?」
「それはまだ使う。取っておく」
「このカバンは?」
「それはまだ綺麗だから取っておく」
「この本は?」
「本は、、、うーん。読むかもしれないからなぁ」
絶対、読まないと思うけど、取っておくか。
「この、大量の手帳は?」(約60年分の手帳がとってあるのだ)
「・・・(無言)」
捨てたらダメなのか。
こんな調子で、ほとんどの物は捨てられないのだ。
私は作戦を変えた。
どうやら、洋服は割と手放しやすい感じがしたので、この方法を続けたが、
食器や本、カバンなどは友達にあげるけどいい?と聞く。
すると、すんなり
「いいよ。それはどこどこで買った良いものだから、きっと喜ぶよ」
なんて感じで、人にあげるというとあっという間に手放してくれます。
やはり、戦中生まれで物がない時代を生き抜いてきた人だから、「まだ使えるものを捨てる」という考えがないのでしょう。
ただし、誰かが使ってくれるのならば、渋々というより、とっても喜んで手放すことができるのだ。
この法則がわかったので、私は、facebookやインスタに写真を載せて、取りに来てもらった。
しかし、もちろんそれだけでは終わらないので、本などはメルカリに出品したり、古本屋さんに持って行ったりした。
あまりにボロボロのものは捨てた。
1部屋を占領していた洋服ダンスにたっぷり入っていた洋服や着物なども、もらってもらえるものはそうして、
長年、園長先生をしていたので、クローゼット1つを占領していたスーツやドレス、パンプスなどは、私が処分した。まだ、数回しか手を通していないものばかりだったので、とても胸が痛んだが、体が小さい母のサイズに合う人がいなかったのだ。
趣味のギターやその周りの物や、アルバム、写真、手帳、ノートなど、思い出のものは捨てずに全部ダンボール箱に入れた。
引越しの見積もりを3社ほどしたが、箪笥やテーブル、ベッドなどの家具類は全部処分してもらいたかったので、家具をリサイクルしてくれるという引越し業社さんに頼むことにした。
母には、「小さな団地になるから、ここにある大きな家具はほとんど置いていくからね。でも、まだ綺麗なものは中古のお店に売りに出すから、捨てるわけじゃないからね」と何度も話して納得してもらった。
果たして、本当にリサイクルしてもらえたかどうかはわからないが、それは業者さん任せになった。
さて、引越しの日は割とスムーズにことが運び、新しい部屋に全て荷物を運べたのが夕方早い時間だった。
その日から、新居にふさわしいコンパクトな家具に、段ボール箱の中身を詰め込んでいく。
荷物をかなり減らしたつもりであったが、やはり、入りきらなくてダンボール箱がしばらく山積みになった。
また、少しずつ捨てたり人にあげたりして、2〜3ヶ月はかかっただろうか。
やっと、全てのダンボール箱が空になった。
大きな家から小さな家に引っ越すのって、マジで大変。
でも、生活は格段に楽になった。
息子たちも私も、同じ団地のD棟に住んでいるので、移動は階段を1つ降りて渡り廊下を移動するだけ。
味噌汁が冷めない距離だ。
引っ越しはとっても大変だったけど、これからの母との生活が、とても楽しみ。
❤︎LOVE&MIND&SOUL&MUSIC♬