離婚を持ち掛ける際の心構え:「話せば分かる」に要注意
「話せば分かる」と思っていませんか。離婚を考えるまでに至った二人についていえば、このような考え方は要注意です。
離婚を持ち掛ける際ならびに離婚協議中における心構えとしては、「話しても分からない」という前提で臨むべきだと思うのです。話して分かるようなら、今、あなたは離婚ということを考えているはずはありません。
私自身、「話せば分かる」と思いたい人間でした。だって、世の中、自分と同じ考えばかりの人がいるわけではありませんよね。話し合いをして、折り合いをつけるというのは、むしろ当然でしょう。そこで、私は、相手に納得してもらおうときちんと話し合おうとしました。子供もいましたし、家族全員が離婚というハードルを乗り越えて、それぞれがよい形で次の人生をスタートさせたかったからです。それが離婚の協議を長引かせ、終いには離婚裁判にまで至ることになるとも知らずに。
物事には、1)話されて納得できること、2)話されても納得はできないが、そんな相手を尊重できること、3)話されても全く理解できないことの3つがあります。離婚に至るということは、3)が多くて、夫婦関係が破綻してしまっている状態です。
他方、離婚協議というのは、基本的に、
・離婚をするか否か
・二人に子供がいれば、子供の親権をどうするか。また、今後の子供の養育費をどうするか
・二人の財産をどう分配するか
を決めることです。
これらのそれぞれに意見が対立するという前提で協議に臨むべきなのです。しかも、相手の主張する理由が3)のように理解できないという前提で。もし、理解できるようならラッキーと思うのがむしろちょうどよい位です。
ですので、離婚を切り出す前に、今一度考えておく必要があるのです。離婚を切り出して反対されるとしたら、と。相手に反対されたとして、調停委員あるいは裁判員を説得できるだけの材料をあなたは持っているでしょうか。
離婚協議は、双方が合意して成立するものです。自分が婚姻関係が破綻していると心底思っていても、相手がそう思われていなければ、それ以上、話を進めることは困難になります。財産分与などの条件を相当に譲歩しなければならなくなるかもしれません。離婚を持ち掛ける前に、今一度確認しましょう。「話せば分かる」という前提で、離婚の話し合いが進むと思っていませんか?
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