離婚裁判に進むかどうか
離婚調停でも、なかなか話がまとまらないとすると、離婚裁判に進むことを考えなければなりません。相手が離婚したくない場合、わざと話を遅らせてきます。一つ解決したと思ったら新たな論点を出したり。調停は1ヶ月程度おきに開催されますので、月日は結構経ってしまいます。調停委員が調停不成立の判断をする前に、こちらから調停の申し立てを取り下げて、裁判に進めることもできるのです。
私の場合もそのようにしたのでした。ただ、ここは判断がとても難しかったところです。離婚に至った今でも、このときの判断が適切であったのかよくわかりません。
調停から裁判に進むことのメリットとデメリットを、本記事では、今一度振り返ってみたいと思います。
まず、裁判に進むと判断したときの状況です。第一に、相手が真摯に離婚の協議をしようとしていませんでした。先延ばし戦略をしていることは間違いないと考えました。インターネットで調べてみると、なかには2年も調停をしている人というのがいたりして、そこまではいかなくても1年ぐらいは先延ばしされそうに思えました。そこまで調停に時間をかけても、ころっと態度を変えられてしまう可能性もないわけではありません。
第二に、調停委員が穏やかな方々というか頼りない方々というか、相手側のいうことにかなり振り回されている印象がありました。相手の主張を見極めて、そこに食いついていくのではなく、流されてしまう感じでした。ですので、私の場合には、専門的能力の高い方が間に入らないと思い、それは裁判官にお願いするしかないと考えました。
一方、不安もありました。こちらが裁判に進もうとしても、調停での議論が不十分であると差し戻される可能性がないわけではありませんでした。このようなことに時間を無為に使ってしまう可能性があったのでした。そのため、裁判を始めるには相手との議論が進んでおらず、それが自分側の理由でないことを説明する必要がありました。弁護士の方も「おそらく大丈夫」ということでしたが、ここは不安がありました。
また、裁判に進んでも、半年から1年ぐらいかかってしまうとのことだったのも判断を悩ませませした。実際、半年ぐらいは、裁判で離婚事由とその論拠情報を提示することと、相手からの反論だけで過ぎてしまいました。相手が折れてくれるのであれば、裁判に進まない方が早かったかもしれません。
加えて、裁判になると、最悪、裁判官が離婚を認めないという判決をする可能性があります。そうなると、もう一度裁判をやり直したとしても、異なる判決を得るには相当の時間や技術が必要となります。結論がでることは、必ずしも自分にとってのよい結末であるとは限らないのです。
このようななか判断を下したのです。それを決めるのは、調停の最後の時間帯で5分にも満たない間です。あらかじめ、今回の調停がこうだったら、調停を不成立にして裁判に進もうと考えていたのですが、判断はとても悩ましいものでした。
裁判に進むかについて、もう一つ、付け加えさせていただきます。
裁判に進んでから気が付いたことです。調停のときは、細かなやり取りが発生するので、相手側は妻と弁護士の両方が出席していました。しかし、裁判になると、相手側は弁護士だけの出席になりました。つまり、調停の方が、平日に裁判所に行かなければならないという負担が相手に発生するのです。裁判に進んだことで、ある意味で相手にとって楽にさせてしまったのです。これは想定していなかったことでした。
以上、私の体験から、調停から裁判に進んだときのことをお伝えしました。何かの参考になれば幸いです。