タイムトンネル
セルフリメイクの作品を制作しようと、物置きになっているところを物色していたら、タイムトンネルという文字の入ったブリキ看板を模して制作した作品が目に入った。これをモチーフに、最近感じた事をビジュアル化してみた。
2020年、神奈川県の築30年のレトロなアパートで、家族が一人暮らしを始めた。この物件を見つけた時、私はまるでタイムトンネルに迷い込み、30年前に引き戻されたような不思議な気分になったのだった。
このアパートのトイレには、時間が止まったかのように、私が30年前に住んでいたアパートのドアと同じ型ガラスのはまったドアが取り付けられていた。それだけならよくあるノスタルジックな感覚なのだが、
30年前の東京の家賃が、現在の郊外の家賃の倍以上という事実。
「失われた20年」という言い方があるが、更に10年追加して物価変動のなさから「失われた30年」を実感した事。
このドアと価格感覚の違和感のせいで、そこは何年のどこなのか頭の中がぐるぐるして、私はタイムトンネルに迷い込んでしまいそうになったのだった。
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