「ワクチン」でアマゾンを検索した時のアマゾンの反ワクチン度
noteの更新が遅れてごめんなさい。同志社大学の大学院での集中講義のため、日本に一時帰国しています。朝から夕方まで1人で講義をするのもはじめてなら、夏に帰国するのも5年ぶり。医学部以外で講義をするのもはじめてで、先週は他のことをやったり考えたりする余裕があまりありませんでした。
とか言いながら、講義の初日からいきいなり学生さんたちと飲みに行ったりしているからいけないのかもしれません。ドイツにはバーやビアガーデンはあっても居酒屋や焼き鳥屋はないので、今のわたしにはそういう場所に行くのはとても特別な機会です。
同志社では今年、「政治化した科学の問題(politicized science)」をどう書くか」というテーマで講義を行いました。
政治的、経済的、法的、あるいは倫理的な圧力により、科学に関する問題が議論を巻き起こすことを「科学の政治化(politicization of science)」と呼びます。科学や医学に関する情報は政治化しやく、かつ、命や健康にかかわることがあります。その情報の伝わり方や受け取り方は、発信者(書き手)の伝え方やリテラシー、および、受け手(読み手)の受け取り方やリテラシーによるところがあり、命や健康を損なうよう働くこともあれば、逆にそれらを守るよう働くこともあります。
日本では、市民に情報を伝えるメディアの仕事をしているのは、社会科学や人文科学専攻の、いわゆる文系の出身者がほとんどですが、わたしは科学を社会に正しく伝える仕事に科学者ももっと積極的に関与すべきだと思っています。というわけで、同志社大学の生命医科学部の大学院の学生だけを対象として講義を行いました。
ワクチンの安全性の問題も、非常に政治化しやすい科学の問題の1つです。メディアやSNSでは「危険・安全」「賛成・反対」と意見が割れ、医者の間ですらそうなっているように見えることもありますが、実際には、医学界の意見が2つに割れているという状況はほとんどありません。そう見えてしまうのは、医学界では圧倒的なマイノリティーであるにもかかわらず、市民の不安や不満を代表するような意見の専門家のメディアでの露出があまりにも突出しているために起きています。
では、「ワクチン」に関する一般向けの書籍で、ワクチンに好意的なものと敵対的なものはどのくらいの割合で存在しているのでしょうか。「ワクチン」のキーワードで検索を行い、医学書を除く書籍を対象に検討を行いました。
結果は以下の通りです。
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