子宮頸がん(HPV)ワクチンの定期接種率に関してよく受ける質問ー分子は5学年分の接種人数なのに分母は1学年分の人数でいいのか?
子宮頸がんワクチンに問題に関心の高い医師からよく受ける質問に、厚生労働省の
子宮頸がん(HPV)ワクチンの定期接種率=「定期接種年齢(小6から高1女子)の接種者数」÷「13歳(中1)女子の人数」
という計算式は本当にあっているのか?というものがあります。
分子の方は5学年分なのに分母は1学年分。分母を5倍していない厚生労働省の計算は間違っている(過大評価になっている)のではないかというのです。
具体的に見てみましょう。
厚労省によれば、積極的接種勧奨の再開した令和4年度(2022年度)の子宮頸がん(HPVワクチン)の1回目実施率は42.2%でした。
分子=定期年齢での接種者数(延べ人数)は、225,993人です。分母は13歳の女子で、統計局によれば、2021年10月時点での13歳の女子の人口は53万1千人で、割り算すると42.6%と厚労省発表の数字とほぼ同じです。
一方、2021年10月の12~16歳の女子の人口は262万7千人です。こちらで割り算すると8.6%となりますが、現場の感覚からしても、こちらの方が正しい実施率に思えるという意見もあります。
結論から言うと、分子は5学年分、分母は1学年分の厚生労働省の計算式で間違いありません。
理由は、以下のとおり。
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