マガジンのカバー画像

文系女医の書いて、思うこと【スタンダード】

noteでわたしが書く記事が大体ぜんぶ読める基本のマガジンです。継続的に執筆を応援してくださる方、わたしの書いた記事を大体ぜんぶ読みたい!という方にお勧め。引用の際には出典のご記…
医学に関するデータやその解釈をいつも最新にアップデートしておくことを通じて命や健康を守りたい、とい…
¥3,000 / 月
運営しているクリエイター

2020年5月の記事一覧

5月27日のWHOブリーフィング「WHO財団の新設と世界125のワクチン候補リスト」

アメリカが拠出金停止を発表する中、「WHO財団」なるWHOへの一般からの寄付金の受け皿となる独立母体の設立が発表されました。WHO財団とは何なのか。記者から厳しい質問が相次ぎました。5月27日現在世界で開発中のワクチン候補のリストもシェアします。

¥498

外でマスクしている人ゼロでも再流行していないドイツ

「ドイツで実効再生産数が1を超えた。再流行が始まっている」 10日ほど前、そう言って大騒ぎして以降、ドイツの話題は日本のメディアから消えた。 実効再生産数とは、ある病原体が1人の感染者から平均何人にうつるかを示す数値で、流行状況の目安だ。実効再生産数1なら、平均で患者1人が別の接触した1人に感染させることを意味し、1以下なら流行は収束に向かっていることを意味する。 ドイツをはじめ多くの欧米諸国は、人口当たりの感染者数ではなくこの実効生産数に注目し、ロックダウン(都市封鎖

¥480

WHO総会、議長国首脳スピーチと「独立的検証」の議決

2020年5月19日、新型コロナウイルス流行のため初めてオンラインで、かつ2日間の強行日程で行われたWHO総会が終わり、新型コロナウイルスの発生源や対応について独立した調査を行うという議案が採択されましたが、いつどのような形で調査が実施されるのかは全くの不明です。 本当に世界はこのままWHO主軸で新型コロナと闘っていくのでしょうか。 初日の18日には議長国の首脳が演説を行い、新型コロナウイルス問題に対する各国のスタンスを明らかにしていました。注目したいのは、新型コロナの発

¥498

カーニバルで感染拡大した、ドイツの抗体調査「ハインズベルク・スタディ」の最終報告

北半球における第1波がピークアウトしてきた今、見えない敵、新型コロナの横顔が少しずつ見えてきました。 ドイツはブラジルと並ぶカーニバル大国。以前にもnoteで中間解析を紹介していたドイツ・ガンゲルトで行われた新型コロナウイルスの抗体調査「ハインズベルク・スタディ」の最終解析が出たので、今日は日本語で解説しました。最終解析も中間解析の結果とは大きくは変わりませんが、最終解析は非常に詳細です。抗体検査キットが季節性のコロナも拾ってしまうのかと言った基本的な問いに対する答えや(中

¥980

「アメリカCDC」とは何者なのか

「WHO抜きでパンデミックは終わるのか」 ①テドロス氏とWHO改革 の続きです。 ③WHOが中国に許した26日間のリード に続きます。 米国疾病予防管理センター(CDC)は、疫学調査からワクチン開発、パンデミックやバイオテロ時の実務まで、感染症対策を包括的に担う「諜報機関」である。 2020年1月20日に横浜港を出発したクルーズ船「ダイアモンド・プリンセス」号は、鹿児島、香港、ベトナム、台湾、沖縄に寄港した後、日本の領海を航行していた。2月1日、香港で1月25日に下船した

¥980

5月11日のWHOブリーフィング「世界で行われている抗体調査の数と抗体保有率の平均値」

¥480

テドロス氏とWHO改革

新型コロナをめぐっては「中国より」との批判が多いWHO(世界保健機構)ですが、最近では定例の記者会見でも厳しい質問が飛び交い、まるでWHOの弾劾裁判のような様相になってきています。本連載「WHO抜きでパンデミックは終わるのか」では、マニラにあるWHO西太平洋地域事務局に勤務した経験も踏まえ、WHOの構造的な問題点にも焦点を当てながら、人類と新型コロナとの闘いについて考えていきます。(全6回を予定)初回の今日は日本の新型コロナウイルス専門家会議でお馴染みのあの方も出馬した過去の

¥980

5月7日のWHOブリーフィング「PCR検査が足りていない国はどこか」

最近、noteの更新があまりできていなくてすみません。これからまた書いていきます。一時期はPCRをたくさんやっていた韓国が一押しだったWHOですが、PCRをたくさんやったのに医療崩壊を起こしたイタリアの例もあり…。

¥480