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村中璃子、ちょこっと読み。

わたしの書いた記事や科学・医学のニュースのまとめを適当にセレクトしてちょこっとお届けするマガジンです。わたしがnoteに書いた記事をぜんぶ読みたい方はマガジン『文系女医の書いて、…
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#パンデミック

「リスク低」なのになぜ?欧米が鳥インフルエンザワクチンの準備を始めた理由

「リスク低」なのになぜ?欧米が鳥インフルエンザワクチンの準備を始めた理由

7月4日、アメリカで4例目となるヒトの鳥インフルエンザの感染が確認された。「鳥インフルエンザ」とはA(H1N1)型インフルエンザウイルスの俗称だ。ヒトが感染するのも鳥が感染するのとまったく同一のインフルエンザウイルスだが、ヒトが感染しても他の動物が感染しても「鳥」インフルエンザと呼ばれている。アメリカでは今年に入ってからこのA(H1N1)の感染が乳牛の間で拡大しており市販の牛乳の5つに1つから鳥イ

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『パンデミックを終わらせるための新しい自由論』が届きました

『パンデミックを終わらせるための新しい自由論』が届きました

新刊『パンデミックを終わらせるための新しい自由論』を発売日より前に倉庫から発送してもらったのに、待てど暮らせどいまだ届かず。担当編集者が郵便局に行ったところ、窓口では「ウクライナ戦争の影響でまだヨーロッパへの郵便は不安定」と言われたそうです。それでもEMSで送りなおしてもらったところ、こんどは3日で届きました!

本は想像していたのよりコンパクトで軽く、見た目も明るく、これならバッグに入れて持ち歩

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新刊『新しい自由論』刊行のお知らせ

新刊『新しい自由論』刊行のお知らせ

この度、文藝春秋社より新刊を上梓しました。
『新しい自由論』という本です。

”パンデミックを終わりにするための”という副題がついていますが、ウイルスやワクチンの解説本ではありません。

各国のパンデミック対策、なかでも対策を徹底させるプロセスや方法を見ることを通じ、パンデミックによって問われた民主主義や自由の価値、意義といったものについて考える本です。

対策を取ることを通じ、また対策を取ったに

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チョコレートから考える技術革新

チョコレートから考える技術革新

ドイツではバレンタインデーとチョコレートはほとんど関係がなく、クリスマス、カーニバル、イースターと冬から春にかけての大イベントで大量のチョコレートを食べます。

2023年は4月9日の日曜日がイースター(復活祭)です。イースターは、写真にあるようなウサギの形のチョコレートや卵の形をしたチョコレートを買ったり贈ったり探したりする楽しい日です。

ドイツ人ひとり当たりのチョコレート消費量は年間約8キロ

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WHOによるウイルスの起原の調査報告書【会見編】

WHOによるウイルスの起原の調査報告書【会見編】

「分かったこと、分かっていたことはこんなにあった」

これが120頁におよぶ「WHOウイルスの起原の調査報告書」を読み終えた感想です。去る3月30日、1月14日から2月10日にかけて行われた、WHOによる新型コロナウイルスの起原の調査報告書が発表されました。発表の同時、日米を含む世界14カ国が「世界保健機関(WHO)新型コロナウイルス起源調査に関する共同声明」を発表して同報告書と中国を批判したこと

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3月24日のWHOブリーフィング

3月24日のWHOブリーフィング

FIFA(国際サッカー連盟)のジアンニ・インファンティ会長が同席しWHOとの共同キャンペーン「メッセージを広げてコロナウイルスをキックアウトしよう(Pass the message to kick out coronavirus)」を紹介。英リバプールのアリソン・ベッカー選手が中継で、スポーツマンらしいメッセージを発表した。テドロス氏は「恐ろしいことだ。パンデミックは加速している。10万人に増える

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