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村中璃子、ちょこっと読み。

わたしの書いた記事や科学・医学のニュースのまとめを適当にセレクトしてちょこっとお届けするマガジンです。わたしがnoteに書いた記事をぜんぶ読みたい方はマガジン『文系女医の書いて、…
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#コロナ

WHOはコロナ下でも使用推奨を継続、ハンドドライヤーの正しい恐れ方

WHOはコロナ下でも使用推奨を継続、ハンドドライヤーの正しい恐れ方

日本では、新型コロナパンデミックを機にトイレのハンド・ドライヤーのほとんど使われなくなりました。

「洗い残ったウイルスをまき散らす」という話がメディアで拡散し、2020年5月には国の専門家委員会も、新型コロナウイルス対策としてハンドドライヤーの使用を止めるよう提言したからです。

トイレですることまで推奨を出した日本ワクチンも治療薬も無く、医薬品以外の方法でやれることをすべてやらならなかった時期

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ヘルパンギーナの異例の流行は「マスク緩和」のせいなのか

ヘルパンギーナの異例の流行は「マスク緩和」のせいなのか

日本では、ヘルパンギーナが大流行しています。国立感染症研究所によると、全国およそ3000の小児科の医療機関から報告されたヘルパンギーナの患者の数は、7月2日までの1週間で合わせて2万360人で、1医療機関当たり6.48人。これは過去10年で最も多かった前の週をさらに上回っているそうです。

同じく国立感染症研究所によれば、日本ではヘルパンギーナは、毎年5 月頃から増加し始め、7月頃にかけてピーク

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また年2回打つの?日本の新型コロナワクチン接種計画への少しだけ違和感

また年2回打つの?日本の新型コロナワクチン接種計画への少しだけ違和感

一時帰国しています。話には聞いていましたが、本当にまだ誰でもどこでもマスクをしていることにも驚きますが、高齢者だけでなく、感染歴のある若い人にも4回、5回とワクチンを接種しているが多いことに驚きます。良くも悪くも、日本人は本当にまじめにコロナ対策を続けていることを改めて実感します。

EUでは若い世代の4回目の接種は推奨されていません。マスク着用も「以前ほどの意義はない」として、ほぼすべての国のほ

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講演会「ポストコロナ社会へのヒント」のお知らせ

講演会「ポストコロナ社会へのヒント」のお知らせ

2月22日19時半~、守れる命を守る会、千葉県保険医協会の共催によるウェブ併用講演会で登壇します。

両会の会員の皆さんのご参加は無料です。(申し込みが必要です)

千葉県保険医協会の会員にすぐなるのは難しいですが、守れる命を守る会はすぐに会員になれます。

よかったら入会して、明日の講演から聞いて下さい。
https://www.mamoreruinochi.com/top/membership

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日本人は気づいてない、日本人のマスク姿が「特別」な理由

日本人は気づいてない、日本人のマスク姿が「特別」な理由

2022年のワールドカップは、新型コロナパンデミック開始以降、本格的に観客を入れる初めての国際的スポーツイベントとなった。

収容人数6万人というスタジアムの観客の9割方がノーマスクの中、テレビでは、浴衣にマスク姿でスタジアム観戦する日本人サポーターや、東京の街角をマスク姿で叫びながら勝利を喜ぶ日本人の様子が報道された。

もっともスタジアム感染する日本人サポーターも、2戦目となるスペイン製以降は

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サル痘やデング熱など今までとは違う動きをしている感染症のリスクの見極め方

サル痘やデング熱など今までとは違う動きをしている感染症のリスクの見極め方

パンデミックのせいなのでしょうか。

アフリカの外でのサル痘の報告、小児の原因不明肝炎の増加,、東南アジアではデング熱の大流行など、今年は他のウイルスが今までとは違う動きをしています。

以前から存在しているけれども今までとは別の動きをしているウイルスや細菌のことを「再興感染症」といいます。今まで人間には認識されていなかったウイルスや細菌のことは「新興感染症」といいます。たとえば1983年にはじめ

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日本式!検疫「デジタル化」の衝撃

日本式!検疫「デジタル化」の衝撃

1年半ぶりに日本に帰ってきた。新型コロナウイルス流行に伴う日本への入国制限が緩和されたからだ。

「鎖国」とも揶揄される日本の厳しい入国制限は、岸田政権が「全世界からの入国禁止」というエキセントリックな宣言をして世界の注目を集めたオミクロン株以降のものだと思っている人も多いかもしれない。

しかし、入国の翌日から2週間という長い隔離期間は2020年の秋に定められたもので、ワクチンが普及しても国内で

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「難民列車」の7時間

「難民列車」の7時間

プラハ中央駅のホームからベルリン往きの電車に乗ると、デッキに何人かが座りこんでいて、ずいぶんと混んでいるようだった。苦労して中に入ると、指定していた席に5歳くらいの男の子を抱いた若い男性が座っていた。

「すみません、この席を指定しているんですが」

英語もドイツ語も通じない。

男の子の父親かと思ったが、よく見ると顔にはあどけなさが残っている。15歳くらいだろうか。横の4人がけにいた金歯の目立つ

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