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村中璃子、ちょこっと読み。

わたしの書いた記事や科学・医学のニュースのまとめを適当にセレクトしてちょこっとお届けするマガジンです。わたしがnoteに書いた記事をぜんぶ読みたい方はマガジン『文系女医の書いて、…
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#新型コロナウイルス

結局、ワクチンで新型コロナ後遺症は防げるのか、発症率「1~2割」は本当か

結局、ワクチンで新型コロナ後遺症は防げるのか、発症率「1~2割」は本当か

新型コロナウイルスの「後遺症」の予防に、ワクチンは有効なのでしょうか。

ワクチンの後遺症予防効果を見た国内外の論文は1000本以上あります。しかし、接種したワクチンは、種類も違えばスケジュールも異なります。感染したウイルスの型も違えば、感染のタイミングや回数、重症度も受けた治療も違います。システマティックレビュー(複数の論文のデータを比較検討したもの)もいくつかありますが、バイアスや交絡(因果の

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結局、どうする?新型コロナワクチン秋の追加接種、最終ガイド

結局、どうする?新型コロナワクチン秋の追加接種、最終ガイド

今月20日から秋の新型コロナワクチン接種が始まります。わたしの暮らすドイツでも10日から始まりますが、ほぼ誰も追加接種の話はしていません。新型コロナワクチンの接種・追加接種が推奨される対象が大幅に縮小したためです。

昨日、日本でも来年度から65歳以上の人以外は原則として自己負担になるとの報道が出ましたが、日本以外の諸外国はすでに対象を狭めています。

ワクチンが2価から1価になった理由ところで、

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人災としての医療ひっ迫

人災としての医療ひっ迫

去ったと思えばまた押し寄せる、コロナ流行の波。これだけワクチン接種率が上がったのに、こんなに時間はあったのに、検査をなかなか受けられない、医療機関が混雑するといった状況がまだ続いています。

原因の1つは、日本では精度の高いPCR検査へのこだわりが強く、PCR検査である必要のない場面でも、抗原検査を用いた方がいい場面でもPCR検査を使うことを求め続けた結果、抗原検査を普及させることに失敗したからで

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次はあなたの故郷かもしれない

次はあなたの故郷かもしれない

「私の故郷ハリコフは壊滅しました。次はあなたの故郷かもしれない」

ウクライナ国旗を掲げるハンブルク市庁舎前で黄色いベレー帽と青いセーターの女性が立っていました。「SNSにあげますね」と言ったら「ありがとう」と言われました。

Googleマップで検索するとわが家からウクライナ国境まで車で11時間半、距離にして1500キロ足らず、ちょうど東京から陸路で鹿児島に行くくらいの距離です。

確かに離れて

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疫病と水

疫病と水

今日はわたしの撮影した写真を見ながら、ちょっと歴史の話を。

城と赤死病と栗

城と赤死病と栗

年末年始、いかがお過ごしでしたでしょうか。

わたしはコロナからもインターネットからも自由な時間が欲しくて、チェコとの国境に近い東ドイツの森の中で過ごしました。森の中と言っても森の中にある友人の所有する小さなお城です。

オミクロン株でもクリスマスもお正月も諦めない

オミクロン株でもクリスマスもお正月も諦めない

まだクリスマスイブの今日、ハンブルクはみぞれ交じりの雪です。どこかのクリスマスソングのように夜更けに雪になり、明日はホワイトクリスマスとなるのでしょうか。

ドイツではクリスマスイブが大晦日、クリスマスがお正月と言った感じでみんな帰省してしまうので街もがらんとしています。そして、25日か26日には戻ってきたら1年はだいたい終わり。大晦日はなぜか爆竹を鳴らして新年を迎えますが、今年はコロナのため爆竹

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WHOによるウイルスの起原の調査報告書【会見編】

WHOによるウイルスの起原の調査報告書【会見編】

「分かったこと、分かっていたことはこんなにあった」

これが120頁におよぶ「WHOウイルスの起原の調査報告書」を読み終えた感想です。去る3月30日、1月14日から2月10日にかけて行われた、WHOによる新型コロナウイルスの起原の調査報告書が発表されました。発表の同時、日米を含む世界14カ国が「世界保健機関(WHO)新型コロナウイルス起源調査に関する共同声明」を発表して同報告書と中国を批判したこと

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3月9日のWHOブリーフィング

3月9日のWHOブリーフィング

「パンデミックの脅威はリアルになった」との表現で、再びパンデミック宣言の使用を避けた今日の会見。パンデミックへのターニングポイントの鍵を握る国の1つとして日本の名が挙がった。

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2月24日 WHO専門家チーム+中国政府の会見

2月24日 WHO専門家チーム+中国政府の会見

2月24日、現地視察から帰ったWHOの専門家チーム+中国COVID-19対策チームの記者会見 @プレジデンシャルホテル北京。中国を礼賛を強いられているかのようにも、中国の行った介入に度肝を抜かれているようにも聞こえるWHO専門家チーム代表、ブルース・アワーにも注目。(フル音源あり)

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