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文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】

「文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】」はわたしが書くすべての記事を読みたいという方、定期購読で応援してくださる方向けです。執筆の舞台裏エピソードや医療関係者向けの特…
内容の詰まった記事を更新していきます。「文系女医の書いて、思うこと。【スタンダード】」とだいたい同…
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2023年6月の記事一覧

独語インタビュー「HPVワクチン、偽情報との戦い」

日本の専門家たちもかねてから子宮頸がん(HPV)ワクチンの接種を推奨しています。しかし、反ワクチン団体による誤情報が拡散した結果、日本のHPVワクチンの接種率は70%から1%に低下しました。目下の課題は、このワクチンに対する信頼を取り戻すことです。アグネス・タンドラーによるレポート。 * 日本人医師、村中璃子氏はHPVワクチンの偽情報やその影響と8年以上もの間、戦ってきました。しかし、いま彼女は目的は達成されたと考えています。日本政府は、2013年から差し止めていた子宮頸

日本でも増えている”E型肝炎”って何?

わたしのnote ではここ2回、「生の豚ひき肉ペースト」など日本人からすると驚いてしまうような欧州の生肉料理を見ることを通じ、レバ刺しやユッケ、鳥刺しなど、日本で一般的な生肉料理の安全性について検討しました。 今回は「豚肉は生で食べられるのか?」という最初の質問に立ち返り、E型肝炎ウイルスというあまり耳慣れないウイルスの話を中心に、生肉食のリスクについてさらに解説します。 実はワクチンもあるE型肝炎ウイルスとは?

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馬刺しとリトアニアのサバ刺身の秘密

本記事では、生の豚ひき肉ペースト「メット」について考えた前回記事に続き、生肉を食べることのリスクについて考えます。 前回記事はこちらからどうぞ。 どうしてもレバ刺しが食べたければ馬?前回記事で触れたとおり、2012年以降、日本では牛レバーを生で食べることは法律で禁止されている。また、鶏レバーの生食も法的に禁止されていはいないが、食中毒のリスクが高いため、自己規制がかかっている自治体が多い。このような中、現在、わが国でレバーの生食に関する規制がないのは、馬肉だけだ。 つま

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豚肉を生で食べても大丈夫なのか?

高温多湿の状態が続き食中毒のリスクが高まる中、日本各地で「食中毒警報」が発令されています。そんな中、わたしのnoteでは今回から肉の生食の安全性に関する記事を3回にわたってお届けします。ぜひ、定期購読マガジン「文系女医の書いて、思うこと。」からご覧ください! 生の豚肉!ドイツの国民食「メット」ドイツに暮らしてもっとも衝撃を受けた食べ物は、フランクフルトの市場ではじめて食べた生ひき肉の「メット」だ。刻んだ玉ねぎやニンニク、スパイス、塩コショウなどで味がついていて、パンに塗っ

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『パンデミックを終わらせるための新しい自由論』が届きました

新刊『パンデミックを終わらせるための新しい自由論』を発売日より前に倉庫から発送してもらったのに、待てど暮らせどいまだ届かず。担当編集者が郵便局に行ったところ、窓口では「ウクライナ戦争の影響でまだヨーロッパへの郵便は不安定」と言われたそうです。それでもEMSで送りなおしてもらったところ、こんどは3日で届きました! 本は想像していたのよりコンパクトで軽く、見た目も明るく、これならバッグに入れて持ち歩いても苦にならなさそうです。屋上に出て空にかざすと、同じハンブルクの空だからなの

高齢でも健康なら新型コロナワクチンの追加接種を秋まで控えた方がいい理由

新型コロナパンデミックも4年目を迎えた2023年、日本では、新型コロナワクチンを2回まで自己負担なしで接種することできます。その1回目の追加接種は先月から始まっています。 一方、新型コロナは5月から感染症法上の5類に”格下げ“となり、マスクを外す人も増えてきました。みんながマスクを外せば再流行が起き、医療崩壊は必至だという専門家もいます。 では、ウイルスがゼロになるまでマスクを外せないのでしょうか。今年もまた2回もワクチンを接種をしなければならないのでしょうか。 きっと

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