「鮨 梅清」に行くなら、休日前夜。平日の夜がドラマチックでいい。~東京発あたみメシ~
東京在住、渋谷のデート情報番組のラジオパーソナリティを長年務めていたRIKOmaniaが、東京からでも食べに駆けつけて欲しい、いま気になる熱海メシをご紹介します。
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「鮨 梅清」に行くなら、休日前夜。平日の夜がドラマチックでいい。
仕事をいそいそと片付け、19時26分東京発こだま683号に乗り込めたら、20時半の最終入店時間に間に合うはず。ドラマチックという点では、19時34分品川発で同じ新幹線に乗るのもいい。東京駅は大きなキャリーケースをガラガラいわせた旅行者が行き交い、すでに旅が始まる空気が充満しているが、品川駅はサラリーマンが溢れかえっていてちょっと殺伐とした雰囲気だ。そんな日常から40分足らずで海と温泉が待っている、このエスケープ感が堪らない。
熱海に着いたら熱海サンビーチを抜けてワンブロックほどでお目当ての「梅清」へ。気軽な飲食店が並ぶ海岸沿いのこの道に、とびきりの江戸前寿司屋ができたのは2018年の5月末、もともと東京青山で握っていた大将がのちに渡米、帰国後に自分の店を出すため選んだ場所がここ熱海だった。
その日、最初に出されたのは白海老にキャビア。このキャビア、なんと静岡県浜松市の山間部、春野で養殖された静岡産だという。お茶か自然薯かという場所でキャビアとはちょっと驚き。水がきれいなところなのだろう。味は外国産のものより塩味が柔らかく、粒に張りがあって、ねっとりとした白海老の食感にいいアクセント。もうちょっと、もうちょっと食べたくなる。
長年、江戸前を握り続けてきた大将が、築地(いまは豊洲か!)からの仕入れと、あたみらへんの食材を試行錯誤しながら旬の味を楽しませてくれる。都内の有名店にも劣らないおもてなしと、熱海ならではのちょっと抜きのある遊び心のある雰囲気。熱海には美味しいごはん屋さんが多いけれど、こういったクラス感のある食事は高級ホテルや旅館でのおこもり旅行でないとなかなか楽しめないから、ひょいと駅から直行できてこのクオリティは本当に貴重なお店といえる。
平日に「梅清」へ行くなら、カジュアルなホテルでも構わない、海の近くに素泊まりがおすすめだ。大将におまかせで、つまみ、握り、デザートの最中アイスまでたらふく食べたら、波の音を聞きながら歩いてホテルへ向かおう。翌朝は太平洋に開いた熱海サンビーチから眩しいほどの朝陽が昇るはず。貴重な休日を旅先でスタートできるなんて、なんだか得した気持ちになれること間違いなしだ。
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※2018年12月に友人が熱海周辺を紹介する素敵な雑誌『Hygge あたみらへん』を創刊しました。この文章はそちらへ寄稿したものを、友人の許可を得て掲載したものです。(東京在住ですが熱海にもおうちがあるので、隙あらば美味しいものと温泉&海を求めて熱海へ通っております)
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