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染めものでみる社会の変革

*この記事は全文公開です。

染めものマスク企画第2弾!
今回は伝統的な、皆さんがイメージするような「染めもの」から日本の歴史を現代に染まった私の視点で振り返ってみる。

企画について説明した記事はこちら↓

染めものとは

未だにわかっていなかったのだが、染めものの定義はこちら

「染物」とは白生地を織ったあとに染料で染めたもの
https://www.hanten.jp/column/somemono/dyeing1

となるとマスクは不織布を使っているのでその名の通り’織られていない’ので「染めもの」と言えるのだろうか…

気を取り直して歴史に触れてみる。
日本発祥かと決めつけていたが、今のような染色の技術が広まったのはイギリスかららしい。
縄文時代の染められた編み物が発掘されているのは、原始的なもので植物の葉や花を生地の上に乗せて、動物の血を使って色を定着させるという方法によるものだ。
時代が過ぎていくにつれて、さらに違う技法として、糸を先に染めるという方法が生み出された。
わたしたちがイメージする美しい
「染めもの」は技術が集まり始めた江戸時代から発展した。

染色の技術と言ってもさまざまだ。
わたしがフードロス・フラワーロスとなった植物を利用して染めたものは「草木染め」であり、有名な藍染めもこれにあたる。対して、現代社会に広く普及しているのは化学染料を利用した「浸し染め」であり、低コストで均一に染めることができる。


もちろん、伝統的で手間も掛かっているものほど値段も高く、買うハードルも高く、マーケット対象の年齢層も高くなる。そしてこんな染めものの歴史の変革は、社会の変革をも表しているのだ。

古いほうから日本史を辿ってみよう.
縄文時代は人々がまだ定住せず、米も育てず、狩猟生活を送っていた時代だ。この時代の「染めもの」は、一日中狩に出向かずとも
’服を染めるほど余裕のある生活ができる’
という権力の象徴とも取れる。普通の人々はクリーム色のようなそのままの布地の印象が強いが、ファッションに気を遣える染めもの所有者は技術を持っていた。弥生時代になって社会全体の力が上がってきたところで人々の
’QOL(クオリティ・オブ・ライフ)’を満たし、後の豪族や貴族となりうる存在へ近づいたのだろう。

飛鳥・奈良時代に入ると大陸からの文化もあり、以前より多くの人々が鮮やかな服装をしていたことがわかる。すでに染めものの基礎的な技術は完成しているが、これらは「染色」した布を利用しているという説明がしっくりくる気がしている。化学染料は流石に普及していないだろうから、ラピスラズリなどの石や藍をはじめとした発色の強い染料が中心となってきた。しかしながら、同時に庶民(農民)との生活の差は依然として感じることができる。
この時代では御殿に住む権力者の影に、竪穴住居から抜け出せない人口99%以上の農民がいたことも忘れてはいけない。

鎌倉、武士の時代となると、中間層だった武士たちにもカラーが見えるようになってくる。将軍は鎧兜なんかも着て、彩豊かなことが一概にお金持ちの権力者とも言えなくなっていった。もはや服に色があるのは当たり前になっていたからこそ、この時代は’お金がないいから’ではなく、
’精神的な余裕がないから’服に気を使う余裕がなくなったと言える。特別性が薄れたことで布をじゃぶじゃぶと藍の液などに浸している様子が目に浮かぶ。

そして江戸。
世の中が安定し、町人文化が栄えてくると本当の意味での糸から染めた
「染めもの」が誕生する。手間ひまかけて織りなされた美しさは300年後の現代でもその価値は損なわれていない。生活必需品としての色つき洋服は主流であったこの時代に、新たな魅力となったのは細かな技術力だった。高価な「染めもの」を普段から身につけていることは、今の高級ブランドと同じように、一種の社会的ステータスとなり、
(植物を)育てる → 染める → 織る
(糸を) 紡ぐ  
というような産業としての工程が定まった。

現代。
比較的年配の方だと生活に取り入れられたり、違いを愉しむ方も多いのだろうが、リユース品とファストファッションで満足している私たち若者世代には、伝統的な「染めもの」の価値も歴史も汲み取ることはできない。
社会の変化に対応しなければ生き残れない?
それはもっともな意見だ。
だからこそ、
私はお金を出して商品を受け取る従来の’受容的な価値’ではなく、
フードロスを利用して自分だけの染めものを作る体験方の’能動的な価値’として社会に広めていきたい。

*中学生の社会の知識くらいで書いたため、曖昧な部分もあるかと思います


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