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山田詠美著「4 Unique Girls 人生の主役になるための63のルール」のすすめ
山田詠美先生はいつもクラクラするくらい魅力的な言葉を紡いでくれる女性作家さん。大好きです。
ただし、山田詠美先生の本で得た知識は多用禁止!用法用量を守って使用する、と心に決めている。
…どんな本でもそうかもしれないけど、本の知識を鵜呑みにして簡単に使ってみたところで、ただの安っぽいアウトプットしかできないことは目に見えている。
本で得た知識を自分なりに吸収して噛み砕いて、自分自身の経験をもって腹落ちさせた時にやっと使用許可をおろす。
山田詠美先生の本は特にこのガードを固くして簡単に使用しない。事故るから。笑
今回読み返したのは、「4Unique Girls 人生の主役になるための63のルール」です。
雑誌GINGERの巻頭連載を単行本化したものだそう。
驚くほどスラスラ読めちゃうのは雑誌連載の文章だからかな?と思いました。
小説苦手な方でも大丈夫だと思う。
前回読んだ時に心に響いた一節に印をつけていて、同じところに共鳴する部分もあれば新たに刺激を受ける文章もあり、夢中になって読んでしまいました。
その中の一節です。
いつだって、初めて遭遇する魅力的な人やものに対しての受け入れ態勢を、準備万端整えておきたいなー、と、これは願望。
日々の雑事に追われると、感性のためのセンサーやアンテナのメインテナンスは怠りがちになってしまうものね。
すると、どうなるか。
富や社会的地位、年齢、流行、そういった刷り込みによる価値観を基準にして、あらゆるものを見るようになる。
そのことは、とても楽であるのと同時に、つまらない人間に劣化してしまう近道でもある。
でも、どうせなら、自分にしか持てないスタンダードを作り上げる。その過程をおもしろがつまて生きて行こうよ。
…ぐぬう。
解説で瀧波ユカリさんも仰っていたけど、背筋が伸びてしまうような文章。虚を衝かれてページをめくる手が止まってしまう文章。
自分のちっぽけさについて何度目かの再認識をするとともに、こんな女性になりたいものだと理想の大人像みたいのがボヤ〜と浮かび上がってくるのでワクワクする。
こんなふうに年を重ねたいという想いが湧いてくる機会ってそう多くないから、見逃さないように文章に集中する。そんな瞬間が何度も訪れます。
特に日々社会と会社とたたかうOLさん、本の中で紹介されている「一点"堅気じゃない"主義」を身に付けてほしい。
私も会社員時代この技に何度も救われたので。
もちろん、人それぞれグっとくる場面は違うと思うけど、最近の自己啓発本とは全く違う角度で女性たちを鼓舞してくれる稀有な本だと思っています。
今までは一読者としてしか触れてこなかったわけだけど、ライターという仕事に携わり文字を紡ぐ側に立ってみて初めて気付く、山田詠美先生の素晴らしさ…。
私にとっては永遠にお近づきになれない遠い存在なのに、年の離れたいとこのお姉さんのような存在でもあり、本を開けば必ずいつも新たな気付きと懐かしい香りを届けてくれる。
そしていつも一滴だけ、大人のエッセンスを与えてくれる人。
でも、昔付き合っていた男性に山田詠美さんの本を貸したら渋い顔されたことがあった。笑
山田詠美さんの読者のほとんどが女性というのが頷ける。
やっぱり用法用量は守らないとね。
4Unique Girlsの第2弾、4Unique Girls 特別なあなたへの招待状が発売されていたとは、知らなかった!
早速購入しました。
山田詠美作品のレビューを読んでいて、印象に残る言葉を書いている方がいました。
山田詠美「私のことだま漂流記」読んだ。equityとかバイアスとか差別とか、いま日本で本質を理解してるひと握りの人だと思う。心の在り方が真に公正なひと。人を見る視点が意地悪で愛情たっぷりで、一生大好きです。
・心の在り方が真に公正な人
・人を見る視点が意地悪で愛情たっぷり
…わかる。さすが詠美先生の読者さん!