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ご機嫌な婆さんになる        (未来にできること)

30年ほどだろうか。高齢者福祉の仕事をしている。
ボケたくない。
歩けなくなったら終わり。
食事制限のある病気は耐えがたい。
目や耳が衰えたらつまらない。
治らない病気を宣告されるのはいくつになっても怖い。

どれも、予防はできる。
そして、頑張って予防した結果、うっかり予定より長生きしてしまうかも。
予定は90歳超えるか超えないかくらい。
根拠は祖母と母が90歳を超えたという単純な理由。
あと30年か。
必死で働き、子供を育てた年数と同じくらいの残り時間。
結構長いな。

さあ、これからどう生きる?
仕事を通して学んだことを活かして、「ご機嫌な婆さんになる」のだ。
そのために、やってはいけない事3ケ条。
①ピンピンコロリは望まない
健康サプリを飲み、体に良いものを食べ、運動に励んだところで、人生何が起こるかわからない。「ピンピンコロリ」や「生涯現役」を強く強く望むあまり、自分の物忘れや突然のケガや病気を受け入れられずに、心を病んだり周囲に八つ当たりして孤独になる人をたくさん見てきた。
②ひとに期待しない
家族に誕生日を祝ってもらえれば幸せ。何もなくても、今、生きているだけで幸せ。友達が手紙をくれたら幸せ。くれなくても自分が手紙を出す元気があれば幸せ。不愛想なヘルパーさんが来たとする。でも、「お疲れ様。ありがとう。」と笑顔で言える健気さが自分にあれば幸せ。
③あの世に持っていけないものを抱え込まない
大事な服や食器は自分が使い切る。
使い切れない資産は、有効に使われるように、生きている間に渡す。
遺産相続を待たれるのはまっぴらごめん。
伝えたいことは、伝えておく。
記憶がゆがむ前に、真実をこの世に置いていく。

そして、ご機嫌な婆さんになる。
ボケても、歩けなくなっても、機嫌よく笑ってる婆さんになる。
これには、修業がいる。
短気で思ったことはすぐに口に出てしまう性格。
笑いに変える訓練を積もう。
ライフワークや趣味を持つ。いつか、それすらもできなくなる。
その時は、人の為に祈ったり、応援する人になろう。
「押し活」を楽しむのも良い。
沢山の老人と暮らすことになる次の世代が
不機嫌な老人に、心と時間を奪われないように、
ご機嫌な婆さんの手本をめざそう。

そうだ、突然の終わりにも備えなくては。
人生はまさかの連続なのだ。
この記事を投稿したら冷蔵庫に直行しよう。
シャインマスカットがまだ残っている。
あの世には持っていけない大事な物。
今日もご機嫌な一日。




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