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下手な文 その1
下手な文を書く。
少なくとも、1か月はこのテーマを掲げていこうと思っている。
上手く書こうとしない、かっこつけない、他人の目を意識しない。
いったん、自分にできあがった「ものをかくときのスタイル」を解体したい。
下手な文を書く、と決めたら、指も心も軽くなる。
こうしてスラスラと指に任せて言葉をつづっている。
何のあてもなく、何の計画もなく、カタカタと文字を打っている。
鼻から大きく深呼吸。
深呼吸と荒い鼻息はどこから違うのだろうか。
とにかく吐く。
たくさん吐く。
たくさん出す。
たくさん書く。
下手に書くこの取り組みで、ひとつだけ決めておきたいことがある。
自分の中での決めごと、自分の心に立てる看板のようなもの。
「思いつくまま、感情のままに出てきた言葉の、1センチ下を見る」
下手に書くのは、自分の深いところから言葉を掬えるようになるための解体新書なのだから。今湧いた言葉の、深いところを探らなくちゃ意味がない。湧いた言葉の一ミリでも深いところをのぞき込む。
なぜこの言葉が今湧き上がっているのか。
なぜあの言葉ではなくてこの言葉なのか。
そんなの知らない、わからない。
も一つ荒~い鼻息を出して、私はここから去っていく。